1988 Fiscal Year Annual Research Report
肝再生における肝細胞外間質物質の役割-類洞内皮細胞の増殖因子を中心として-
Project/Area Number |
62570327
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Research Institution | Okayama University Medical School |
Principal Investigator |
小出 典男 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (20142333)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸部 和夫 岡山大学, 医学部附属病院, 助手 (60135978)
山下 克子 神戸大学, 医学部, 助教授 (70030905)
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Keywords | 類洞内皮細胞 / 肝細胞 / 初代培養 / 細胞凝集 / 細胞間マトリックス / 細胞増殖 |
Research Abstract |
1.類洞内皮細胞反応モノクローナル抗体の作成 ラット肝から遠心流出法により調製した類洞内皮細胞を抗原細胞としてマウスモノクローナル抗体の作成を試みた。複数回の細胞融合実験でも類洞内皮細胞に特異的な抗体は得られず、抗原細胞に混入したと思われる肝細胞抗原に対するモノクローナル抗体のみが6クローンが得られた。これらの内3クローンは毛細胞胆管に反応性を有し、他の3クローンは肝細胞類洞側に反応性を有する抗体であった。既報の同類の反応性を有する抗体との抗原解析を含む異同を検討継続中である。 2.類洞内皮細胞増殖因子の性状検討と精製 前年度研究成果としてラット新鮮血漿中に培養ラット肝類洞内皮細胞の増殖因子が存在することを報告した。本年度の物性研究の結果、この因子は56℃、30分の熱処理や、プロテアーゼ処理により失活し、concan avalin Aカラムに吸着する分子量1×10^4ダルトン以上の高分子糖蛋白であることが判明した。牛やブタの血漿には同様な増殖因子は検出できないことから種特異性のある増殖因子であることがうかがわれる。今後は分子生物学的手法によりこの増殖因子の解析を継続する予定である。 3.類洞内皮細胞-肝細胞相互作用 58年度本研究費による研究:研究課題58570320:および本年度の本研究費による研究において、ラット肝細胞は無結成培地下で球形細胞凝集塊(肝細胞-Spheroid)を形成し、分化機能が維持されることを明らかにした。この培養系に類洞内皮細胞を添加し両細胞の相互作用を惹起させた結果、類洞内皮細胞は肝細胞-Spheroidの表層に特異的に配位するとともに肝細胞には単層培養では観察されない毛細胆管やゴルン装置の発現を伴う細胞極性の誘導が行われることが判明した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 荒木康之: 岡山医学会雑誌. 100. 371-376 (1988)
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[Publications] Toshiyuki Shinji,et al.: Cell Struct and Funct. 13. 179-188 (1988)
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[Publications] Norio Koide,et al.: Hepatology.
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[Publications] Norio Koide,et al.: Hepatology.
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[Publications] Norio Koide,et al.: J Cell Biol.
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[Publications] Kenichirou Asano,et al.: J Clin Electron Microscopy. 22.