1987 Fiscal Year Annual Research Report
抗炎症蛋白リポコルチンの遅発性喘息発現との関連性, およびその治療効果について
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62570341
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中澤 次夫 群馬大学, 医療技術短期大学部, 教授 (70008316)
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Keywords | 遅発性喘息 / リポコルチン / モルモット気管らせん法 |
Research Abstract |
本研究の目的は(1)遅発性喘息が抗炎症蛋白であるリポコルチン産生不全に起因するか否か(2)リポコルチンをステロイドホルモンの代りに投与して遅発性喘息を阻止しうるか, の2点である. 今年度はこの為に(1)ヒト胎盤からのリポコルチンの糖製抽出, (2)これを用いて抗リポコルチン抗体を作製すること, が行われた. まず(1)については, ヒトの胎盤を(100g)を細挫〓〓したのち400mlのRPMIにてキュベートし, 次にこの上情をDEAEセルロース, セファデックスG75のカラムクロマトグラフィーにて糖製を試みた. この結果, 純度30〜40%(0.5mg/ml)のリポコルチンを含む分画を得た. この分画の1Yuは1ngのフォスフォリパーゼA2阻害活性を有した. 又, この分画をSDS-ゲル電気泳動法を用いて分離すると31K〜45K〜の領域に数本の沈降線が存在した. (2)のこの分画を用いて抗リポコルチン抗体の作製であるが, この分画(1mg/ml)をFCAとともに混合し,その100μlをマウス背中に6回免疫し, 最終免疫の3日後にマウス(Bail-c)の脾臓を摘出し得られた脾細胞を洗條後, マウスの骨髄腫細胞株(NS-1)とを混和した. この細胞ペレットをHAT培地に1人10〓/mlになるようにして培養した. 次にハイブリドーマの増殖がみられた培養上清をELISA法にて検定した. 得られたヘイブリドーマを限界希釈法でクローン化したところ9種のクローンが認められた. これをウェスタンブロッティング法〓特異性を検定したところ, その中の1種に反広が認められた. 今後はこれを再検定し, 喘息患者血清のリポコルチンを定量する予定である. 又, リポコルチンを用いてモルモットの気管らせん法による気管支収縮, 特にβ-ブロッケード状態の気管に対する効果をも検討する予定である.
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