1989 Fiscal Year Annual Research Report
気管支喘息における気道組織内好酸球浸潤の発生と制禦メカニズムについての実験的解析
Project/Area Number |
62570351
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
福田 健 獨協医科大学, 医学部, 助教授 (90088873)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿久津 郁夫 獨協医科大学, 医学部, 助手 (90184126)
沼尾 利郎 獨協医科大学, 医学部, 助手 (60172748)
山田 吾郎 獨協医科大学, 医学部, 講師 (70146174)
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Keywords | 好酸球 / 好中球 / 気管支喘息 / PAF / T細胞 / 炎症細胞浸潤 |
Research Abstract |
本年度は気道内好酸球浸潤に関与するメディエ-タ-と細胞を、モルモット喘息モデルと喘息患者の気管支粘膜生検組織、リンパ球を用いて検討した。(1)モルモット喘息モデルにおける検討;OA抗原で腹腔感作した能動感作モルモットはOA抗原吸入で、6時間後と24時間後をピ-クとする2相性の気道内好酸球浸潤を呈し、前者はPAF拮抗薬で抑制されることからPAFが、後者はTリンパ球に選択的な免疫抑制剤のCyclsporinAで抑制されることからT細胞由来の因子の関与が考えられることを前年度に報告した。今年度は、抗原吸入により肺局所で実際にPAFが作られるかを検討した。感作モルモットに抗原を吸入させて即時型気道収縮を起こした後、開胸し、気管支肺胞洗條を行った。回収腋から直ちにBligh and dyer法で脂質を抽出し、薄層クロマトグラフィ-で各脂質に分画した後、BioassayでPAF存在の有無をみた。その結果pgオ-ダ-でPAFが認められた。しかし、非抗原誘発群でも機械的刺激によると思われるPAF生成がみられ、抗原に特異的な生成の絶対量についてはなお検討の必要がある。また、24時間後の好酸球浸潤は別のT細胞抑制剤であるFK526でも抑制され、この浸潤におけるT細胞の関与が改めて示唆された。(2)喘息患者気管支粘膜生検組織およびリンパ球での検討;凍結保存した上記組織を各種モノクロ-ナル抗体を用いて染色した。慢性および有症状期の喘息患者では好酸球浸潤の程度が強く、このような症例では、CD_3、CD_4、CD_8、CD_<57>、CD_<25>陽性細胞が多くみられ、好酸球浸潤におけるT細胞の関与がヒトでも示唆された。また、ダニ陽性喘息患者のリンパ球を同抗原で刺激すると、培養3日目より強い好酸球、好中球遊走活性が認められること、これは抗原特異的であることを見い出したので、現在この因子の性状を検討中である。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 福田健,阿久津郁夫,天下井正弘,沼尾利郎,牧野荘平: "モルモット喘息モデルでの2相性好酸球浸潤に対するPAF拮抗薬とCyclosporin Aの効果" アレルギ-.
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[Publications] 福田健,阿久津郁夫,沼尾利郎,牧野荘平: "モルモット実験喘息モデルにおける遅発型喘息反応の発現と気道反応性亢進のCyclosporin Aによる抑制" アレルギ-.
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[Publications] 福田健,湯川龍雄,寺師義典,阿久津郁夫,本島新司,牧野荘平: "感作経路の違いによる抗原吸入チャレンジ後の気道反応の相違" 第7回 免疫薬理シンポジウム記録集. 53-60 (1989)
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[Publications] Akutsu,I.,fukuda,T.,Numao,T.,Makino,S.: "Contribution of T cell factor(s)to delayed-phase cosinophil accumulation in the airway mucosa of actively-sensitized guinea pigs." J.Allergy Clin,Immunol.85. 234 (1990)