1987 Fiscal Year Annual Research Report
気道の過敏状態と各種の刺激により誘起される気道のアラキドン酸代謝に関する研究
Project/Area Number |
62570354
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
小林 隆弘 国立公害研究所, 環境生理部・慢性毒性室, 主任研究員 (50124342)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山根 和祐 国立公害研究所, 環境生理部・慢性毒性室, 研究員 (40182589)
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Keywords | モルモット / 気管平滑筋 / ヒスタミン / シクロオキシゲナーゼ / リポキシゲナーゼ / プロスタグランジン / ロイコトリエン / アナフィラキシー反応 |
Research Abstract |
気管平滑筋の自発性張力の維持に内因性のアラキドン酸代謝物がどのように関与しているかに関し, シクロオキシゲナーゼ, リポキシゲナーゼ, トロンボキサン合成阻害剤ならびにプロスタグランジン類, ロイコトリエン類の拮抗剤を用いて検討し, シクロオキシゲナーゼ系ならびにリポキシゲナーゼ系の代謝産物が自発性張力の維持に関与していること, トロンボキサン類は関与していないことが判明した. また, シクロオキシゲナーゼ系の阻害によっても, リポキシゲナーゼ系の阻害によっても自発性張力のほぼ85%が失われることより, 両系の相互作用が存在する可能性が示唆された. また, 上記の薬剤の作用時におけるヒスタミンに対する収縮反応への影響を, Ca^<2+>freeにし, 最大弛緩したときの張力を基準にしてみると, いずれの場合も, 最大収縮, EC_<50>ともに変化しなかった. これまでに, 上記薬剤はヒスタミンに対する収縮を亢進させるとの報告があるが, これはこれら薬剤による自発性張力の減少を見込んでいないためと考えられる. 従って自発性張力の変動を考慮に入れることが重要になると考えられる. ロイコトリエンC_4の共存下でモルモットの摘出気管筋のヒスタミン収縮に対する影響に関しては, ロイコトリエンC_4共存下でモルモットの摘出気管筋のヒスタミン収縮による収縮巾が減少すること, EC4が僅かに増加することが見出された. in vitroでのアナフィラキシー反応前後におけるモルモット摘出気管筋のヒスタミンに対する反応性はEC_<50>が有意に低下するが, FPL55712共存下でのアナフィラキシー反応により, EC_<50>の低下がさらに大きくなることから, 反応時に放出されると考えられる, ロイコトリエン類が低下の原因物質ではないことが明らかになった.
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[Publications] Kazusuke Yamane & Takahiro Kobayashi: J. Appl. Physiol.
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[Publications] 山根一祐,小林隆弘: 国立公害研究所研究報告.