1988 Fiscal Year Annual Research Report
アルツハイマー型老年痴呆における線条件大型神経細胞の選択的脱落に関する形態的検討
Project/Area Number |
62570363
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小柳 清光 新潟大学, 脳研究所, 助手 (00134958)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生田 房弘 新潟大学, 脳研究所, 教授 (20018592)
大浜 栄作 新潟大学, 脳研究所, 助教授 (50018892)
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Keywords | アルツハイマー病 / アルツハイマー型老年痴呆 / 進行性核上性麻痺 / 線条体 / 尾状核 / 被殻 / 大型神経細胞 / 神経原線維変化 |
Research Abstract |
昨年度明らかにし得た、アルツハイマー病(AD)、アルツハイマー型老年痴呆(SDAT)、進行性核上性麻痺(PSP)の線状体すなわち尾状核及び被殻における大型神経細胞の選択的脱落の細胞学的特徴を明らかにするため、本年度は、上記の疾患における大型神経細胞脱落の局在と超微形態変化を検索した。また、これらの疾患においてすでに減少することが知られ、線状体大型神経細胞と同様コリン作動性と考えられているマイネルト核神経細胞との相関についても検討した。 線状体大型神経細胞脱落の局在は、AD/SDAT、PSPにおいて差は認められなかった。 線状体大型神経細胞の電顕観察では、AD/SDATでは、ほとんどの大型細胞で、いわゆるtwisted tubulesより成る神経原線維変化が認められ、一方PSPでは多くの大型細胞で、straight tubulesを主体とする原線維変化が見られた。 また、AD/SDATにおいては、線条体大型神経細胞とマイネルト核神経細胞とは相関しつつ減少していたが、PSPでは、これらに相関関係は認められなかった。 以上の所見は、AD/SDATおよびPSPの線条体では、障害されるのは同一の形質を有する大型神経細胞であること。しかし一方、AD/SDATではtwisted tubulesを形成し、PSPではstraight tubulesを形成しつつ変性して行くことを示している。またAD/SDATでは、線条体大型神経細胞がマイネルト核神経細胞とlinkしつつ変性して行くことを示しており、PSPとはこの点でも相異なる発症機序が存在していることを示唆している。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 小柳清光: Brain Research. 458. 218-223 (1988)
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[Publications] 小柳清光: 脳と神経. 40. 47-54 (1988)
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[Publications] 小柳清光: Brain Resarch.
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[Publications] 小柳清光: Brain Resarch.
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[Publications] 小柳清光: Annals of Neurology.