1987 Fiscal Year Annual Research Report
心不全ラットにおけるカテコールアミン合成酵素活性の検討
Project/Area Number |
62570373
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野村 憲和 北海道大学, 医学部, 助手 (70180776)
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Keywords | 心不全 / カテコールアミン / チロジンハイドロキシラーゼ |
Research Abstract |
カスコールアミン合成酵素・チロジンハイドロキシラーゼの活性を検討する際にし, どのようにしてその酵素を抽出したかが問題である. 当初中枢神経で一般的に行なわれている超音波処理によって, 細胞を破壊し酵素を得る計画であった. 実際には, 細胞の破砕が十分でなく, 温度も上昇し, 酵素活性も低下するので, 心臓での酵素活性を検討するには不適切であることが判明した. そこで心筋内酵素の抽出によく行なわれているポッター型のホモジェナイザーのよる方法と, 我々が創案した凍結乾燥法による酵素の抽出を行ない, チロジンハイドロキシラーゼでの酵素活性を至適条件を含めて比較検討した. 心不全時交感神経活性が亢進していると言われており, 血中ノルエピネフリンは増加するが, 心筋内ノルエピネフリンは減少する. この亢進により心臓の収縮力は保たられるが, 心筋内カテコールアミンの減少と関係があるのではと推測されている. a2-刺激薬は高血圧患者に降圧剤として広く使用されているが, その作用機序は中枢性に作用して, 交感神経活性を減少させるといわれている. しかし心不全時a2-刺激薬を投与すると, 交感神経活性の亢進により維持されている心循環系に悪影響を与えるのではと危虞される. そこで上行大動脈狭窄後4週間経過した心肥大ラットにおいて, a2-刺激薬・グアナベンツ0.1-5mg/kgを4週間腹腔内投与を試みた. シャム手術をしたコントロール群も心不全ラット群, ともに投薬中に死亡はなく, 現在心筋カテコールアミンを測定中である.
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