1988 Fiscal Year Annual Research Report
心不全ラットにおけるカテコールアミン合成酵素活性の検討
Project/Area Number |
62570373
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
野村 憲和 北海道大学, 医学部, 助手 (70180776)
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Keywords | 心肥大 / 心筋カテコールアミン濃度 / 心筋チロジンハイドロキシラーゼ活性 / α_2刺激薬 |
Research Abstract |
肥大心におけるカテコールアミン代謝特に左心室ノルエピネフリン(NE)濃度及びチロジンハイドロキシラーゼ(TH)活性の役割と、交感神経α_2作用との関連を明らかにする。 ラットの上行大動脈を狭窄し、4週後よりguanabenz(G)の溶媒の生理的食塩水(V)、G1mg/kgおよびG10mg/kgを、対照としてsham手術後Vを腹腔内に毎日4週間投与し左心室重量および体重を比較した。ついで狭窄手術4週後より、腹腔内に毎日4週間G1mg/kg又はVを投与し、sham手術後と左心室NE濃度を比較した。同様に狭窄手術4週後より、腹腔内に毎日1週間G1mg/kg又はVを投与し、TH活性をsham手術群と比較した。NE濃度およびTH活性は、電気化学的検出法による高速液体クロマトグラフィーによった。 sham-V群、狭窄-V群、狭窄-G1mg/kg群および狭窄-G10mg/kg群において、左心室重量(mg)は、それぞれ611±41、817±139、745±105、581±80であった。狭窄により増加した左心室重量は、Gにより減少した。しかし体重(g)はそれぞれ339±27、344±22、331±38、268±23で、狭窄-G10mg/kg群での体重の減少が著明であった。左心室NE濃度(ng/g)において、狭窄-G群196±78は狭窄-V群156±78より濃度は高く、sham-G群336±97より低い、しかしsham-V群259±60とは差が認められなかった。左心室TH活性は狭窄-G群3.20±1.10、狭窄-V群3.40±1.06、sham-G群4.96±1.05、およびsham-V群5.02±1.03(nM/g/Hour)であり、狭窄によりその活性は低下した。 肥大心では、心筋NE濃度及びTH活性は減少した。α_2刺激薬によりこのNE減少は回復し、心肥大の程度も軽減した。肥大心においてα_2作用は心筋NE濃度及び心肥大に関与している。
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[Publications] 下野恒: 心臓. 20(S1). 48-51 (1988)
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[Publications] Nomura,Akikazu: Life Sciences. 43. 801-805 (1988)