Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田近 武彦 秋田大学, 医学部, 助手 (80171718)
小林 政雄 秋田大学, 医学部, 助手 (70178333)
松岡 一志 秋田大学, 医学部, 講師 (60181707)
三浦 傅 秋田大学, 医学部, 助教授 (10006710)
池田 成昭 秋田大学, 医学部, 講師 (40125703)
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Research Abstract |
左室壁運動異常と左室ポンプ機能に対する前負荷・後負荷の影響を検討する際, 冠閉塞による壁運動異常は心筋虚血の経時的変化および冠動脈問吻合程度によっても影響を受けるが, プロカイン冠動脈内注入による左室壁運動異常モデルはこれらの影響を除外でき, 前負荷・後負荷の力学的影響のみの検討が可能であるため, 以下の検討を行った. 〔方法〕雑種成犬を用い, モルフィン筋注・ペントバルビタール麻酔開胸下に, 頚動脈-左前下行枝(LAD)バイパスを作製, このバイパスに微量注入器を用い, プロカインを持続注入, 3分毎に増量した. プロカイン注入時, 左房に直結したリザーバーの高さを変えることにより前負荷を, 大動脈を狭窄することにより後負荷を変化させ, LAD領域および対照領域の局所心筋〓超音波マイクロクリスタルで, 1回拍出量を電磁血流計で測定し, 比較検討した. 〔結果〕プロカイン冠動脈注入により, 量依存性にLAD域の局所心筋短縮率(%SS)は減少し, 最終的に0となった. 対照域の%SSは不変, 1回拍出量は減少した. プロカイン中止によりこれらの変化は前値に復した. プロカイン注入時, 前負荷を加えると, LAD域%SSは0から負となり収縮期膨隆を呈し, 対照域%SSは増加, 1回拍出量は増加した. 一方, 後負荷増加時はLAD域の%SSは負となり, 対照域%SSは減少, 1回拍出量は減少した. 〔結語〕プロカイン冠動脈注入により, 可逆性かつ量依存症の左室壁運動異常が作製され, この際1回拍出量は減少し, 左室ポンプ機能の低下をみた. 前負荷・後負荷ともにこの壁運動異常を悪化させたが, 壁運動異常の悪化にもかかわらず, 前負荷時のポンプ機能は後負荷時に比べよく保たれていたが, これにはプロカイン非灌流域の局所心筋動態が関与するものとみなされた.
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