1987 Fiscal Year Annual Research Report
心房性頻拍症の発生機序, 治療に関する研究-直接法洞電位記録を利用した新しい解釈
Project/Area Number |
62570386
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 敬 東京大学, 医学部(分), 助手 (30010531)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡部 富士子 東京大学, 医学部(分), 助手 (60142254)
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Keywords | 発作性心房性頻拍症 / 発作性上室性頻拍症 / 洞結節電位 / 洞房伝導時間 |
Research Abstract |
日常の臨床で動悸を主訴とする患者は多い, このものの多くは上室性の頻拍であり, このうちでは〓室結節を介する発作性上室性頻拍症のごとく明かなre-entro回路の存在が確認され, 電気生理学的に多くの研究がなされているものがある. 一方発作性洞性頻拍症及び発作性心房頻拍症に関しては, これらが臨床上発作時の心拍数, 持続時間が少いことなどから, あまり研究の対象とされておらず, その頻度, 発生機序についての研究は少い. この両者では発作時の頻拍の性状は類似しているが, P波の形態では後者は通常のP波型と異る点があり, 又発作の発理様式も異なった面があり, 標準四肢誘導からも診断が可能である. 又後者ではその機序としてリェントリーのみではなく, 自発能の亢進, triggerd activityによるものも示唆される. 今回の研究の目的としては, (1)動悸を主訴とする患者のH〓〓ter心電図記録の解析により発作性心房性頻拍症の頻度の分析を行う. (2)直接法洞結節電位記録法により洞電位を記録し, この発作との関与について研究を行う. の2点である. 結果)1)本年度は初年度でありホルター法による心房性頻拍の分析を行った. 50例のうち頻拍と考えられる症例は3例に認められた. 次年度は更に対象を拡げる予定である. 2)直接記録洞活動電位と洞房伝導時間について, 記録法はHavrimmに準じ施工した. 洞電位はその大きさは心拍毎に数m〓ecづつ変化し, 洞房伝導時間(SACT)も変化した. この変化は呼吸とは関係がなかった. 洞結節からの電位は, 体表のP波からはその変化がとらえられない変化を呈していることが判明した. 発作性心房性頻拍症時の記録は現在試行, 検討中である. 頻拍の発作部位により心腔内電位, 洞結節電位は変化の形態が異ることが予想される.
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 伊藤敬,岡部富士子: 心臓ペーシング. 3. 34-40 (1987)
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[Publications] 伊藤敬,松本進作: 臨床検査. 32. 316-318 (1988)