1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
動脈硬化の病因と予防に関する研究-血管平滑筋増殖に関与する因子について-
Project/Area Number |
62570393
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
Circulatory organs internal medicine
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Research Institution | Osaka University Medical School |
Principal Investigator |
大西 利夫 大阪大学, 医学部, 講師 (50107041)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福尾 恵介 大阪大学, 医学部付属病院, 医員 (40156758)
森本 茂人 大阪大学, 医学部, 助手 (20150336)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Keywords | 動脈硬化 / 血管平滑筋細胞 / プロスタグランディン / 細胞内カルシウム / 活性型ビタミンD / 血小板由来増殖因子 / カルシウム拮抗剤 |
Research Abstract |
〔目的〕動脈硬化の原因は, 血管平滑筋の増殖促進にあるとするRossの説は修正を受けながらも一般に認められつつある. そこで血小板由来増殖因子(P.DGF)などの血管平滑筋の増殖に影響する因子かどのようなメカニズムを介して増殖を促すかについて検討し, さらに生体内物質や薬剤が血管平滑筋の増殖に影響するか否かについて検討した. 〔方法〕ラット大動脈の血管平滑筋細胞を培養し, PDGFの増殖ニオヨボス硬化と培養血管平滑筋細胞の細胞内カルシウムおよぼす効果について検討した. つぎにカルシウム拮抗剤の血管平滑筋細胞の増殖に及ぼす影響について検討した. さらに活性型ビタミンDが血管平滑筋細胞の増殖に影響するのか否かについても検討した. 〔結果〕PDGFは血管平滑細胞の増殖を促進するとともに細胞内カルシウムを増加させることを明らかにした. 一方カルシウム拮抗剤のニカルジピンは血管平滑筋細胞の増殖を抑制した. 活性型ビタミンDである1, 25(OH)_2Dは10^<-10>M以上の濃度で用量反応的に血管平滑筋細胞の増殖を促進した. また血管平滑筋細胞に1, 25(OH)_2Dのレセプターの存在することも明らかにした. 一方Dcxamethasoneは増殖を抑制した. 〔考案〕PDGFは強力な血管平滑筋細胞の増殖因子であり, 平滑筋細胞の細胞内カルシウムを増加させた. PDGFのレセプターのブロッカーであるスラミンを加えるとPDGFの増殖促進効果は抑制され, また細胞内のカルシウムの上昇も抑制されたので, 細胞内カルシウムの上昇も抑制されたので, 細胞内カルシウムの増加が細胞の増殖と関係しているように思われる. したがってニカルジピンや他のカルシウム拮抗剤の増殖抑制作用は細胞内カルシウム上昇抑制を介しているものと考えられた.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Koh Eio: Life Sciences. 42. 215-223 (1987)
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[Publications] 福尾恵介: 血管. 10. 103-109 (1987)
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[Publications] Koh Eio: Medical J Osaka Univ.
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[Publications] Fukuo Keisuke: Cell Calcium.