1988 Fiscal Year Annual Research Report
腎交感神経による腎機能調節に及ぼす心房性利尿ホルモンの効果の検討
Project/Area Number |
62570397
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
今泉 勉 九州大学, 医学部, 講師 (60148947)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹下 彰 九州大学, 医学部, 助教授 (30038814)
|
Keywords | 心房性利尿ホルモン / 腎交感神経 / ラット / 家兎 / 大動脈減圧神経 / 動脈圧受容体 / 大動脈径 / 迷走神経 |
Research Abstract |
昨年度の研究において、我々は心房性利尿ホルモン(ANP)が上行性迷走神経刺激及び動脈圧受容体のresetをきたし、ANPによる降圧にもかかわらず、腎交感神経活動(RNA)が増加しない事を報告した。そこで本年度はANPによる動脈圧受容体resetの機序を検討した。ANPが血管拡張作用を有する事、動脈圧受容体が血管の拡張収縮(ひずみ)により刺激をうけるmechano recepterである事から、ANPが血管拡張作用により、動脈圧受容体反射を修飾しているのではないかと考え次の実験を行った。〈方法〉実験動物は成熟家兎を用いた。α-クロラロースで麻酔(60mg/kg、次に20mg/kgを1時毎に追加)し、pancronium bromideで筋弛緩を行い、人工呼吸器に装着した。まず、α-hANP(0.1〜1.0μg/kg)又はニトロプルシド(SNP)(1〜5μg/kg/min)投与時の血圧、大動脈圧減圧神経活動(ADNA)及び大動脈径(AoD)の相互関係を求めた。次に圧受容体除神経(SAD)及び両側迷走神経切断を行った家兎において同様の実験を行った。次にα-hANP又はSNP投与中にフェニレフリン又はニトログリセリンにより血圧を急激に変化させた時の血圧、ADNA及びAoDの関係を検討した。〈結果〉SNP投与により血圧及びAoD、ADNAは用量依存的に減少し、血圧-AoD関係、又はAoD-ADNA関係は直線的であった。α-hANP投与によりSNPと同等の降圧を観察したが、AoD及びADNAは変化しなかった。これらの結果はSAD及び迷走神経切断後にも同様であった。α-hANP及びSNP投与中に血圧を急激に変化させると血圧の変化に応じてAoD及びADNAが変化した。〈結論〉これらの結果はα-hANPが圧受容体そのものをsensitizeするのではなく、大動脈の拡張により、圧受容体のresetをおこすと考えられる。
|
-
[Publications] T.Imaizumi.: Americna Journal of Physiology. 22. H1136-1140 (1987)
-
[Publications] A.Takeshita.: Gireculation Research. 61. 555-559 (1987)
-
[Publications] T.Imaizumi.: Japanese Circulation Journal. 51. 1268-1272 (1987)
-
[Publications] T.Imaizumi.: Clinical and Experimental Hypertension-Theory and Practice.A9(4). 753-771 (1987)
-
[Publications] T.Imaizumi.: Arzneimittel-Forschung/Drug Research. 38(II). 1342-1344 (1988)
-
[Publications] Y.Hirooka.: Circulation Research. 63. 987-996 (1988)