1988 Fiscal Year Annual Research Report
動脈硬化を惹起する変異アポリポ蛋白質Eの遺伝子解析
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62570399
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Research Institution | Naruto University of Education |
Principal Investigator |
前田 英雄 鳴門教育大学, 学校教育学部, 助教授 (90094044)
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Keywords | リポ蛋白質 / アポリポ蛋白質 / 動脈硬化 / 変異リポ蛋白質 / 脂質代謝異常 / アポリポ蛋白質E5 / アポリポ蛋白質E7 |
Research Abstract |
本研究では、脂質代謝異常を伴う変異アポリポ蛋白質(C-III-O、E7およびE5)の3つのすべての遺伝子のクローニングに成功し、その構造異常を見出した。 1.アポC-III-O(シアル酸を含まないアポC-III)は正常血清中ではほとんど存在しないアポ蛋白質であるが、その構造中糖鎖が結合する74番目のスレオニンをコードする塩基(ACT)が点変異を生じて、アラニン(GCT)に変異していることを見出した。この変異により、糖鎖が結合できなくなったアポC-III-Oが血中に出現したことが明らかとなった。また、この変異により新たにAluI制限酵素による切断部位が生じるため、遺伝子診断が可能になることが証明された。 2.アポE7およびアポE5は、本邦のみで見出された変異アポ蛋白質Eであり、心筋梗塞や糖尿病の頻度が高いことが知られている。本研究では、変異蛋白質を有する患者より染色体遺伝子をクローニングし、塩基配列を決定した。 (1)アポE7は299個あるアミノ酸残基のうち244番目と245番目の本来2つの連続しているグルタミン酸(GAG)が変異し、リジンのコドン(AAG)に置換していることを見出した。この変異によりこの近傍には本来からのリジンがあり、正常アポ蛋白質Eではみられない正電荷をもつリジンのクラスターが生まれ、この領域が高脂血症や動脈硬化の病因と関連あるのではないかと推測している。 (2)アポE5はN末端に近い3番目のグルタミン酸のコドン(GAG)がリジンのコドン(AAG)に点変異していることを見出した。このアポE5は、最近Tajimaらによっても遺伝子解析されているが、点変異部位は同じであった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Shozo Kobori: Kumamoto Medical Journal. 40. 75-83 (1987)
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[Publications] Hideo Maeda: Journal of Lipid Research. 28. 1405-1409 (1987)
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[Publications] Hideo Maeda: Journal of Biochemistry. 1. (1989)