1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570418
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Research Institution | 山梨医科大学 |
Principal Investigator |
辻 敦敏 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (60118974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒井 孝行 山梨医科大学, 医学部, 助手 (80170372)
矢内 淳 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30166532)
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Keywords | アミド系局所麻酔薬 / ブピバカイン / 心臓血管系に対する影響 / 仔犬と成犬による差 |
Research Abstract |
生後1乃至4週, 体重420g乃至1000gの仔犬にブピカバカインmg/kg/minを径静脈的に投与し, 以下の成績を得た. 仔犬では成犬にみられるような痙攣を観察することなく, 心拍数, 血圧, 心電図の変化が生じた. 2.仔犬では心拍数, 血圧, 心電図の明らかな変化は平均17.66±3.0(SE)分にみられ, 成犬の痙攣が若起する時間, 平均14.40±1.0(SE)分に比較し遅かった. 3.仔犬では, 上記諸症状を呈するのに要したブピバカインの血中濃度は, 3.91±0.8(SE)Mg/mlで, 成犬の痙攣が若起する時のブピバカイン血中濃度は6.52±0.5(SE)Mg/mlであった. 今回の検討は成犬5頭(体重13.5±0.9(SE)kg)および仔犬3頭(生後1乃至4週, 体重0.64±0.2(SE)kg)を用いた. 成犬は実験7日前に全麻下に頚動静脈にカテーテルを挿入し, 覚醒下に実験を行ない, 仔犬は実験当日ケタラール麻酔下に1ボカインによる局所麻酔を併用し, 股動, 静脈にカテーテルを挿入し, 血圧, 血液諸検査, 薬物血中濃度測定および薬物注入に供した. 心電図は原則として第2誘導を用いた. ブピバカインは成犬, 仔犬とも0.5mg/kg/minを経静脈的に投与した. ブピバカインを投与し, 痙攣あるいは明らかな循環器症状がみられる迄の間の酸塩基平衡状態はPHa7.40±0.01(SE), PaO_293.7±2.7(SE)mmHg, PaCO_231.8±1.2(SE)mmHgであった. 成犬ではブピバカインを投与し, やがて血圧の上昇, 頻拍を伴った痙攣を若起するに至るが, 仔犬では一過性に軽度の血圧上昇後に心拍数は漸減し, QRS幅の増大をみた. 今後, 低FiO_2, 低体温條件下のpharmacodynamicsについて検討を続ける予定である.
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