1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570418
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Research Institution | Yamanashi Medical College |
Principal Investigator |
辻 敦敏 山梨医科大学, 医学部, 助教授 (60118974)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
駒井 孝行 山梨医科大学, 医学部, 助手 (80170372)
矢内 淳 山梨医科大学, 医学部, 助手 (30166532)
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Keywords | アミド系局所麻酔薬 / 塩酸ブピバカイン / FiO_2差による薬物反応の差 |
Research Abstract |
筋弛緩薬・塩化スキサメトニウムを静注し、呼吸停止後ただちに挿管を行なったFiO_21.0群およびFiO_20.16群の幼弱犬、体重25乃至11.0kgにアミド系局所麻酔薬・塩基ブピバカイン0.5mg・kg・minを経静脈投与し、以下の成績を得た。 FiO_21.0群の痙攣惹起に至る時間は5.6±1.2分(数値はMean±SE、以下同様)、痙攣までに要した塩酸ブピバカイン量は2.7±0.7mg・kg、循環虚脱に至る時間は92±19.3分、循環虚脱までに投与した塩酸ブピバカイン量は44.5±9.4mg・kgであった。塩酸ブピバカイン投与前の動脈血中のPHは7.399±0.06、PaO_2511.5±18.2mmHg、PaCO_2、29.6±3.9mmHgであり、収縮期血圧148±13.7mmHg、拡張期血圧77±6.6mmHg、心拍数127±12.3・分であった。FiO_20.16群の痙攣惹起に至る時間は、5.6±1.0分、痙攣までに要した塩酸ブピバカイン量は2.7±0.4mg・kg、循環虚脱に至る時間は37.6±8.4分、循環虚脱までに投与した塩酸ブピパカイン量は18.0±4.0mg・kgであった。塩酸ブピバカイン投与前の動脈血中のPHは7.360±0.03、PaO_251.8±6.4mmHg、PaCO_234.6±3.4mmHgであった。また、収縮期血圧187±13.2mmHg、拡張期血圧は106±7.5mmHg、心拍数は123±7.2・分であった。その他、両群間にヘモグロビン量、血清カリウム血の有意差は認められない。塩酸ブピバカイン投与による心電図上のQRS間隔の変動は、FiO_2の如何にかかわらず全例に認められた。明らかな心室性頻拍はFiO_21.0群で3例、FiO_20.16群で2例認められている。 今日の結果は、低酸素血症の幼弱犬で塩酸ブピバカインの心臓毒性が強いことを示しているものと思われる。
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