1988 Fiscal Year Annual Research Report
肥満細胞の増殖と亜群間における形質転換に及ぼすIL-3、IL-4の作用に関する研究
Project/Area Number |
62570419
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
中畑 龍俊 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (20110744)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長沼 邦明 信州大学, 医学部, 助手 (90180504)
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Keywords | 組織肥満細胞(CTMC) / 粘膜肥満細胞(MMC) / インターロイキン3(IL-3) / インターロイキン4(IL-4) / TPA / プロテインキナーゼC(PKC) / メチルセルロース培養 |
Research Abstract |
組織肥満細胞(CTMC)はIL-3のみの存在下では増殖できないがIL-3とIL-4の両者の存在下で持続的に増殖することが明らかとなっている。 本研究ではCTMCの増殖に対するIL-4の作用が他の物質によって代用できないか否か検討することにより、CTMCの増殖機構を明らかにすることを目的とした。IL-4に変わる物質としてプロティニキナーゼC(PKC)を活性化(初期におけるPKCの膜分画への移動およびひき続くPKCのdown-regulation)することが解っているフォルボールエステル(TPA)について検討した。IL-3、FPAいずれも単独ではCIMCの増殖を誘導しなかったが、両者の存在下で多数のコロニーが形成された。IL-3とTPAの相乗作用は無血清培養法、CTCの単細胞培養法によっても確認された。PKCを活性化する作用のある他の3種類のフォルボール誘導体には同様の作用が認められたが、PKCを活性化する作用のない3種類のフォルボール誘導体はIL-3存在下においてもコロニーを誘導する作用は全く認められなかった。CTMCの持続的な増殖のためには、IL-3とTPAの両者が常に培養液中に存在する必要があった。IL-3+IL4で形成されるコロニーとIL-3+TPAで形成されるコロニーを比較すると後者の方が分裂速度が早く、大きなコロニーになる傾向があり、コロニーを構成する肥満細胞が小さい傾向がみられた。 以上より、IL-3共存下でCTMCの増殖を誘導する物質としてIL-4以外にTPAの存在が明らかになった。TPAはPKCを活性化することにより作用していると考えられるが、IL-4にはPKCを活性化する作用はないことから、今後、両者のシグナル伝達機構を検討することによりCTMCの増殖機構が明らかとなることが期待される。
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Research Products
(11 results)
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[Publications] Okai Yasuji: Immunol.Letters. 17. 1-5 (1988)
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[Publications] Koike Kenichi: J.Exp.Med.168. 879-890 (1988)
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[Publications] Kobayashi Toshimi: J.Cell.Physiol.138. 24-28 (1989)
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[Publications] Tsuji Kohichiro: J.Cell.Physiol.in press.
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[Publications] Yoshizaki Kazuyuki: New Engl.J.Med.in press.
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[Publications] Okano Akira: Transplantation. in press.
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[Publications] 中畑龍俊: 15. 275-281 (1988)
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[Publications] 中畑龍俊: 2. 124-128 (1988)
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[Publications] 中畑龍俊: 医学のあゆみ. 146. 273-277 (1988)
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[Publications] 中畑龍俊: "小児科学年鑑1988" 診断と治療社, 124-128 (1988)
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[Publications] 中畑龍俊: "Annual Review 血液" 中外医学社, 248-259 (1989)