1988 Fiscal Year Annual Research Report
Adrenoleukodystrophyの病因、診断および治療に関する研究
Project/Area Number |
62570420
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
田中 和彦 滋賀医科大学, 医学部, 講師 (70135474)
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Keywords | Adrenoleukodystrophy / 極長鎖脂肪酸 / ペルオキシゾーム |
Research Abstract |
Adrenoleukodystrophy(ALD)の早期診断および治療法の確立を目的に以下の検索を行った。 本症の生化学的および組織学的診断に関しては前年度までに確立し既に報告した。さらにALDのみならずZellweger症候群を含むペルオキシゾーム病の新生児マススクリーニングの可能性を検討し、一部臨床において実践中である。本年度は先づ早期診断を可能にすべく本症の病初期像を明らかにした。即ち、自験例および本邦報告例の計31例について初発症状および医療機関受診時の症状を明らかにした。 本症の治療に関しては、患児の培養皮膚線維芽細胞においてmicrosomal fatty acid elongationが亢進していることに注目し、食事療法の可能性を検索した。即ち、患児よりの培養皮膚線維芽細胞を用い、培養液に長鎖および極長鎖不飽和脂肪酸を種々の濃度に添加し、極長鎖飽和脂肪酸の含量に及ぼす影響を検索した。オレイン酸(C_<18:1>)を30μM以上添加した場合、C_<26:0>の含量は未添加の対照の63%以下と著しく減少した。反面不飽和であるC_<26:1>の含量が著しく増加していた。エルカ酸(C_<22:1>)についても同様な結果が得られたが、前者に比べその効果はより著明であった。現在この実験結果をもとにし、C_<26:0>の制限およびC_<18:1>とC_<22:1>の添加よりなる食事療法を患児2例に施行し経過観察を行っている。現在のところ臨床症状の改善はみられないが、明らかな病状の進行は認めていない。 本症の病因に関しては^<14>Cでラベルした^<14>C-C_<26:0>を作成し、ペルオキシゾームにおけるβ-酸化系の障害部位を検索中であったが、外国においてacyl CoA synthaseの異常が明らかにされたため検索を一時中断し、現在治療法に全力を注いでいる。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Kazuhiko,Tanaka et al.: Acta.Pediatr.Jap.(1989)
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[Publications] 田中和彦 他: 日本小児科学会雑誌. 93. (1989)