1988 Fiscal Year Annual Research Report
ヒトリンパ球におけるFcεレセプター発現調節機構の解析
Project/Area Number |
62570423
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
眞弓 光文 京都大学, 医学部, 講師 (70135581)
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Keywords | IgEレセプター / インターフェロン / アトピー疾患 / U937 / IgE結合因子 |
Research Abstract |
低親和性IgE受容体(FcεR2)の発現調節機構の解析と、アトピー疾患小児におけるFcεR2陽性細胞および血清中soluble FcεR2の動態を研究し、FcεR2発現の臨床的意義とその調節機構を明らかにした。ヒト単球細胞株U937上のFcεR2発現は、γーインターフェロン(IFNーγ)、フォルボールエステル(PMA)のみならず、IFNーαおよびIFNにより細胞内に誘導される2′,5′,ーオリゴアデニル酸(2,5ーA)によっても増強され、副腎皮質ステロイドにより抑制された。IFNーαはU937細胞内に2,5ーA合成酵素活性を誘導することより、IFNーαによるFcεR2発現増強は2,5ーAを介していることが示唆されたが、IFNーγは2,5ーA合成酵素活性を誘導せず、IFNーαとは異なる機序でFcεR2発現を増強する考えられた。FcεR2 cDNAをプローべとしたNorthern blot hybridizationにより、FNーγ、PMAはFcεR2 mRNAを増量させることが示されたが、IFN-α,2,5-AではこのようなmRNAの増量は認められず、両者の作用機序の違いが示された。副腎皮質ステロイドはこのFcεR2 mRNA発現を抑制した。小児の末梢血FcεR2陽性細胞数およびsoluble FcεR2量は、いずれも加齢と共に減少したが、3歳までのアトピー疾患児において非アトピー対照に比して有意に増加していた。3歳以降では、アトピー疾患群と非アトピー対照群との間のこの有意差は認められなかった。この3歳までの時期は、アトピー疾患児において血清IgE値が急激に上昇して最高値になる時期と一致しており、IgE産生機構を活性化する機序とFcεR2発現を増強させる機序との強い関連性が示唆された。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] 眞弓光文: Clin.exp.Immunol.71. 202-206 (1988)
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[Publications] 金光明: Pediatr.Res.24. 254-257 (1988)
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[Publications] 眞弓光文: Mollecular Immunol.
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[Publications] 金光明: Pediatr.Res.
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[Publications] 田中まゆみ: Cell.Immunol.