1988 Fiscal Year Annual Research Report
小児における血管内皮細胞障害と血小板凝集に対する代謝学的・形態学的研究
Project/Area Number |
62570432
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
三池 輝久 熊本大学, 医学部, 教授 (90040617)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児玉 美穂子 熊本大学, 医学部附属病院, 助手 (00178287)
鳴神 浩 熊本大学, 医学部附属病院, 講師 (70040623)
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Keywords | 血管中腹 / ジストロフィン / 筋ジストロフィー症 / セロトニン / 血管内皮細胞 / 血小板凝集 |
Research Abstract |
内皮細胞を中心として血管傷害がドゥシェンヌ型筋ジストロフィー症に者明に認められていること、及び1987年末にDMDの欠損蛋白ジストロフィンが発見されその抗体が作製されたことからこの抗体を用いて血管を中心に免疫組織化学的検討を行った。 (1)正常コントロールマウス及びmdxマウスにおける血管のジストロフィン ジストロフィンは元来正常コントロール筋線維の膜に存在しDMDやジストロフィーマウス(mdx)には存在しないことが報告されている。今回の私達の研究で、ジストロフィンは平滑筋膜にも存在することが分り、更に血管では細動脈以上の大きな動脈、静脈では筋型静脈以上のものがその中膜部(平滑筋層)にジストロフィンを持つことが明らかにされた。特に厚い平滑筋層を持つ筋型動脈の中膜に最も強いジストロフィン活性を認めた。 (2)セロトニン腹腔内注射後の血管におけるジストロフィン(ラット) セロトニン75mg/kg注射後4時間では肺の血管中膜の活性が低くなり10時間では明らかに活性が低下する。これはセロトニンの作用により血管中腹における平滑筋が変性を起している可能性を示唆する。 セロトニンミオパテーにおいてもDMD同様、血管内皮細胞の傷害が起ることは昨年報告した。 この二つの研究の結果は血管中腹の傷害(ジストロフィン欠損によるあるいはセロトニンの傷害による)は内皮細胞の損傷や血小板凝集を引き起こす可能性があることを示唆している。
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[Publications] 三池輝久: Jounal of the Neurological Science.
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[Publications] 三池輝久: Science.
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[Publications] 三池輝久: Muscle & Nerve.