1988 Fiscal Year Annual Research Report
Reye症候群のL-カルニチンによる早期治療に関する研究
Project/Area Number |
62570433
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
大谷 宜伸 熊本大学, 医学部, 講師 (10168982)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
甲斐 由美子 熊本大学, 附属病院, 助手 (10160954)
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Keywords | Reye症候群 / L-カルニチン / ミトコンドリア障害 / ジカルボン酸尿 / 4-penteroic acid / バルプロ酸 |
Research Abstract |
Reye症候群のミトコンドリア障害をカルニチン代謝の面から検討し、本症のL-カルニチン早期治療効果の研究を行ない以下の実績を得た。 1.Reye症候群マウスに対するL-カルニチン予防投与と治療投与。 (1)前年度の方法で得られるReye症候群モデルマウスに対し、前もってL-カルニチンを100mg/kg/dayを7日間予防投与すればほぼその発症が防止できた。急性実験系では200mg/kg/dayの大量経口投与で予防できると考えられる結果が得られた。 (2)発症してしまったモデルマウスにL-カルニチンを経口投与しても高アンモニア血症の改善が得られたのみで、脂肪肝の進展やミトコンドリア障害の進展防止は困難であった。今後は投与経路として静注あるいは腹腔内投与を試み治療効果検討を行ないたい。また幼若マウスと成熟マウスとで効果に差がないかどうか検討してみる必要がある。 2.Reye症候群患児へのL-カルニチン投与治療。 昭和63年度にはReye症候群患児の発生がなかったので治療投与を行なう機械を得なかった。 3.研究発表について。 Reye症候群と類似の発作を示すOTC欠損症について発作時に二次性カルニチン欠損が存在し、その治療として部分的OTC欠損症の患児にはL-カルニチンの経口投与が有効であることを報告した。(J.of Pediatrics 1988年,日本小児科学会雑誌 1988年) さらにL-カルニチンを投与したReye症候群の患児で、早期から経口あるいは静注したstageIIの2例では後遺症なく治癒し、治療投与が遅れてstageIII→IVへ進行した症例では神経学的後遺症を残したことを報告する。(日本小児科学会雑誌 投稿中)
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[Publications] 大谷宜伸: Journal of Pediatrics. 112. 409-414 (1988)
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[Publications] 大谷宜伸: 日本小児科学会雑誌. 92. 2070-2077 (1988)
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[Publications] 大谷宜伸: 日本小児科学会雑誌.