1987 Fiscal Year Annual Research Report
心不全の病態生理及び治療-心房性ナトリウム利尿ペプチドの役割
Project/Area Number |
62570438
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
森川 良行 慶應義塾大学, 医学部小児科, 講師 (60101979)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石原 淳 慶應義塾大学, 医学部小児科, 助手 (50146635)
込山 修 慶應義塾大学, 医学部小児科, 助手 (70162063)
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Keywords | 心房性ナトリウム利尿ペプチド / 心不全 / 腎機能 |
Research Abstract |
雑種成犬を用いペントバルビタール麻酔下に, α-hANPを15分単位で段階的に1ng/kg/min, 10ng/kg/min, 100ng/kg/minと増量しながら大腿静脈から投与した. 投与前, 中, 後の外因性クリアチニン クレアランス, パラアミノ馬尿酸によるRPF, FENa, FEK, FECl, 尿量, 血圧, 心拍数の変化を検討した. α-hANPの投与により, 血中α-hANPは約10倍まで増加し, 外因性クレアチニン クレアランス, パラアミノ馬尿酸によるRPF, FENa, FEK, FECl及び尿量はいずれも増加するが, 血圧, 心拍数は変化しなかった. 腹部大動脈, 下大静脈吻合により作成した心不全犬を1週間後に実験に供した. 心不全犬ではα-hANPに対する腎機能の変化は減少する傾向が認められるが, 一定した反応を認めない. これは心不全の程度が一定しないための可能性があり, 次年度からは血中ノルエピネフリン濃部及び血中ANP濃度を指標にして心不全の程度を一定化する予定である. 又合成α-hANPの投与量が少い可能性もあり, 次年度には血圧が低下するまで投与量を増加して検討する予定である. 63年度には心不全犬モデルを用い, ANPによる圧受容体反射を介しての交感神経活動調節への影響を検討する. さらにANP受容体のdown regulationが考えられる場合には, 心不全に於ける腎ANP受容体を定量的autoradiographyによりANP受容体のdown regulationの有無について検討する.
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