1988 Fiscal Year Annual Research Report
新生児黄疸の薬物による治療法のモデル動物を使った開発的研究
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62570446
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Research Institution | Institute for Developmental Research |
Principal Investigator |
慶野 宏臣 発達障害研究所, 周生期学部, 室長 (30090426)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長江 秀利 トヨタ記念病院, 小児科, 医師
青野 幸子 発達障害研究所, 周生期学部, 助手 (20231780)
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Keywords | 新生児黄疸 / ビリルビン脳症 / 薬物治療 / ビリルビン / ヘムオキシゲナーゼ錫プロトポルフィリン / ラジカル反応 |
Research Abstract |
ビリルビン合成律速酵素ヘムオキシゲナーゼ(HO_<as.e>)の活性阻害剤である錫プロトポルフィリン(SnPP)を生後5日のGunnラットホモ接合体(j/j)に投与すると死亡率が著しく低下しさらに小脳低形成が予防される。しかし、その効果は低く、投与るすSnPP量を多くすると返って予防効果が無くなることから、SnPP投与に副作用のあることが示唆された(昨年度報告)。 生後6-8日のラットにSnPPを投与し、光を照射つづけたところ極めて高率にラットが死亡した。死亡率が50%となるまでの時間は20μmol/kg体重で4時間、15μmol/kgで5時間、10μmol/kgで6時間であった。生理食塩水投与されて光照射受けたラットや、SnPPを投与されても光照射されなかったラットで死亡するものはなかった。高ビリルビン血症であるj/jラットと正常ナヘテロ接合ラット(j/+)の間に死亡率の差はなかった。ポルフィリン環を持つ3つの化合物、ポリフィリン(PP)ヘミン(FeP)コバルトメソポルフィリン(CoMP)を投与し光照射したところ、PPは比較的高い死亡率を示した。(20μmol/kg投与で6時間後に死亡率80%)。FePやCoMPの投与では光照射の有無にかかわらず死亡するラットはほとんどなかった。(CoMP20μmol/kg投与、光照射18時間で21頭中1頭死亡)。PPは光照射によりラジカル反応が起こり、FePやCoMPではラジカル反応が無いか有っても極めて少ないことが知られている。ラット赤血球を使ってSnPP生存舌で光照射すると、ラジカル反応により脂質の過酸化が起こっていることを示すTBA反応が陽性となり、反応量は濃度依存正を示した。また、SnPP濃度依存的に溶血が起こった。In vivoにおいても10μmol/kg体重のSnPPを投与され、光照射を3時間受けたラットにおいて血清中のTBA反応量の溶血量が増大していた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] H.Nagae: Pediatric Research. 24. 209-212 (1988)
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[Publications] H.Keino,: Neuro science Research. 6. (1989)
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[Publications] 柏俣重夫: 遺伝. 41. 43-48 (1987)
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[Publications] 渡辺智正: Medical Immunology. 15. 759-764 (1987)
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[Publications] H.Keino,: European J.Pediatrics.