1987 Fiscal Year Annual Research Report
IN VIVOにおけるメラノサイトの三次元構造の研究:とくに人種差と悪性化について
Project/Area Number |
62570449
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
伊藤 雅章 新潟大学, 医学部, 助教授 (30115000)
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Keywords | 表皮メラノサイト / 立体構築 / ドーパ反応 / 三次元画像解析 / 人種差 / 悪性化 |
Research Abstract |
昭和62年度中に, 正常日本人例の表皮メラノサイトの立体像の構築に成功した. その分布は表皮基底板に対して不均一であり, 部分的な偏りがあることが判明した. また, メラノサイトの核および胞体の体積は, 表皮基底細胞のそれらの体積と有意の差を示した. さらに, メラノサイトの胞体は, 表皮基底層の下面に突出するように存在し, 有棘層側にはほとんど露出していないことが立体的に明らかとなった. これらの結果は, メラノサイトの立体的性状の人種差あるいは悪性化に伴う変化をみる上で極めて重要なデータであると考えられる. しかしながら, 昭和62年度中に購入予定の電顕用ブロックトリミング装置の納入遅延のため, 材料の正確なトリミングを行うことが困難であったので, 今後, この装置を利用し, さらに正常日本人皮膚材料を検索し, この所見を確認する予定である. 人種差については, 白人, 黒人の未検索の性情皮膚材料を有している. 一方, 悪性黒色腫材料としては, 悪性黒子の2例の材料を有している. 上述のごとく, 本研究の方法論においては大きな問題はないので, 昭和63年度中に残る材料の多くを検索し, 本研究の計画を遂行できる見込みである. 昭和64年度までには, それらの成果を学会等で発表し, 論文として報告予定である.
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