1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570456
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
小野 友道 熊本大学, 医学部, 助教授 (10040586)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 雅信 熊本大学, 医学部, 助手 (20200743)
影下 登志郎 熊本大学, 医学部, 助手 (20152605)
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Keywords | 皮膚真皮メラノサイト / テストステロン / メラノサイトの間質間成分形成能 |
Research Abstract |
1.アカゲザル(Rhesus monkey)胎児メラノサイトの動態 米国Oregon regional primate research centerにおける胎令の明確な胎児の身体各部皮膚を採取し, 表皮・真皮のメラノサイト数をDOPA反応を施行し測定した. 又同時に胎児臍帯血中テストステロン値を測定し, 表皮メラノサイト数との相関を検討した. その結果, (1)Postnatal rhesus macaquesの表皮にはメラノサイトが存在しないが, 胎児表皮には豊富に存在していることを明らかにした(2)DOPA陽性メラノサイトの分布は胎令により異なり, 胎令80日まで増加し, 100〜120日の間に激減する. 160日(満期)に近ずくと手掌を除いて表皮にはメラノサイトは認められなくなる. (3)電顕的に満期に近い胎児表皮に変性メラノサイトが観察され, その数の減少に係わっていることが示唆された. (4)臍帯血テストステロン値が急に減少する80日に表皮メラノサイト数が増すなど, 両者間に相間がみられた. (5)胎児にDHT(dihydrotesto steron)をimplantすると, 再び表皮にメラノサイトがその数を増した. 2.巨大色素性母斑(増殖型)についての検討 増殖傾向の著明な巨大色素性母斑症例について検討した. その結果, (1)増殖成分中細胞のほとんどは免疫組織(ABC法)てきに, S-100蛋白陽性を示し, 又電顕でも母斑細胞の特長を示した. (2)成熟コラーゲンと共に, 母斑細胞のsheathと連続してfine fibersがみられ, 母斑細胞の繊維形成が示唆された. (3)著明な増殖を招来した原因は不明であるが, 母斑細胞中にウィルス様またはウィルス関連構造が観察された. 3.真皮メラノサイトと間質成分 メラノサイトを取り巻くsheathを免疫組織学的に検討したが1, 3, 4型コラーゲン成分は陰性であり, 今後検討を続ける.
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[Publications] Ono Tomomichi: Proc. Jpn. Soc. Invest. Dermatol.9. (1985)
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[Publications] Ono Tomomichi: J. Cut. Pathol.12. 468-475 (1985)
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[Publications] 小野友道: 西日皮層. 48. 3-8 (1986)
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[Publications] Ono Tomomichi: J. Derm.13. 63-66 (1986)
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[Publications] 影下登志郎: 日皮会誌. 97. 685-690 (1987)
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[Publications] Ono Tomomichi: J. Clin. Electron Microscopy.