1987 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚悪性腫瘍細胞と周辺線維芽細胞及び浸潤NK細胞との相互作用に関する研究
Project/Area Number |
62570463
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
高森 建二 順天堂大学, 医学部, 助教授 (40053144)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗田 依幸 順天堂大学, 医学部 (80201474)
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Keywords | 皮膚悪性腫瘍 / 線維芽細胞 / プロテアーゼ / カラプシンB / カラプシンD / 線維芽細胞修飾因子 |
Research Abstract |
I. 悪性腫瘍細胞と線維芽細胞との相互作用について:悪性腫瘍細胞としてヒト線維肉腫細胞(HT-1080)およびヒト悪性黒色腫細胞(G-361)を用い, その培養上清(conditioned medium;CM)の正常線維芽細胞(NF)におよぼす影響を調べた. HT-1080CMはNFのcathepsinBおよびHb-hydrolase活性を濃度依存的に上昇させたが, G-361CMにはこのような効果は認められなかった. 同時に測定したNF中のaud phosphatase,plasminogen activator,type,I collagenae活性はHT-1080CMにより影響を受けなかった. II. HT-1080の産生する線維芽細胞修飾因子(Fibmblat m〓d〓〓〓dcation factor:FMF)の性質の検討:HT-1080CMに含まれるFMFの性質を, CMを加熱, 透析, トリプシン処理することにより調べた. FMFの活性は透析によりその活性が失われたが, 加熱およびトリプシン処理に対してはその活性が保持され, FCFは活性発現に高次構造を必要としない低分子物質であることが示唆された. III. 悪性腫瘍細胞(HT-1080)と腫瘍周辺間質成分(collagin及びFibrin)との相互体用:HT-1080をcollagenまたはフィブリン存在下に培養するとHT-1080のcathepsinB活性が特異的に上昇したが, NFではこのような活性上昇は認められなかった. 以上の実験結果から, 悪性腫瘍細胞は, 周辺線維芽細胞のprotease活性(cathepsonBおよびcathepsinD活性を上昇させることにより, 又一方に於ては, 腫瘍細胞自身も周辺間質成分(collagenやfibrin)との相互作用によりprotease活性(cathepsonB活性)を上昇させることにより, 腫瘍周囲にmatrixを破壊分解し腫瘍の局所浸油を容易ならしめていることが推察された.
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[Publications] 栗田 依幸: 日本皮膚科学会誌. (1988)
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[Publications] 栗田依幸,中尾裕央,高森達二,小川秀興: 日本皮膚科学会誌. (1988)
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[Publications] Y.KURITA,H.Nakao,K.Takamori,H.Ogawa: J.Irvest.Dermatol.