1988 Fiscal Year Annual Research Report
IgGサブクラス抗体を指標とした梅毒治癒判定用LELSA法の開発
Project/Area Number |
62570466
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Institute of Medical Science |
Principal Investigator |
田中 忍 東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究室, 研究員 (50124475)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 貴和 東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究室, 研究員 (60050514)
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Keywords | 梅毒 / IgGサブクラス / ELISA(酵素抗体法) |
Research Abstract |
Igクラス及びIgGサブクラス(IgG1〜4)に属する各種抗Treponema pallidum(TP)抗体を測定する為のEIA法を開発し、300余例の梅毒患者血清について、各抗体量の測定を実施したのに引き続き、今年度は各症期別の症例について(1)各IgクラスならびにIgGサブクラスに属する抗TP抗体の血中量が梅毒の症期によってどの様な動向を示すか、 (2)加療により、いかなる変動が生ずるか、即ちIgGサブクラス抗体量の測定が梅毒の治癒判定に有用であるか否かを検討した。その結果、治療開始後3ヶ月目の時点で、その抗体量が正常域(陰性域)にまで低下した割合は、未治療時に既に正常域にあったケースを除外すると、IgMは62.5%、IgAは63.0%、複数のIgGサブクラスでは71.9%であった。未治療時にIgM抗体量が正常域にあったものは、対象とした32例中に8例存在したが、このうち5例にIgGサブクラス抗体量の低下が観察された。またIgA抗体量が陰性域にあった4例のうち、3例にも同様の現象が観察された。現在治療効果判定の指標とされているIgM抗体は、晩期99例の測定結果ではその28%が陽性値を示したにすぎず、また治療対象の大半を占める患者は臨床症状を伴わない不顕性-潜伏-梅毒であることを考えれば、これ等晩期症例の如くIgM抗体量の変化が治療指標とはなり難いケースに於ては、IgGサブクラス抗体の経時的変化を追跡することが有用であることが示唆された。しかしながら症期特有なサブクラス抗体の出現は認められず、各々の症例により減少するサブクラス抗体種もまちまちであったこと等から、治療に対応して変動する特異的なTP菌体成分を判別、これを開発したEIA法の抗原として応用することが、加療後も長期間残存する抗体と、真の抗体とを判別する手段として重要な臨床的意義を有するものと考え、研究を進めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] S.Tanaka,;T.Suzuki.: Sex.Transmitt.Dis.
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[Publications] T.Suzuki.;S.Tanaka.: Sex.Transmitt.Dis.