1987 Fiscal Year Final Research Report Summary
TSH受容体の分子生物学的分析とバセドウ病における受容体抗体の病因的意義の研究
Project/Area Number |
62570500
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Research Category |
Grant-in-Aid for General Scientific Research (C)
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Field |
内分泌・代謝学
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Research Institution | UNIVERSITY OF TSUKUBA |
Principal Investigator |
葛谷 信明 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50143433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 国彦 伊藤病院, 院長
山下 亀次郎 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (80015982)
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Project Period (FY) |
1987 – 1988
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Keywords | TSH受容体 / バセドウ病 / 甲状腺刺激抗体 / 萎縮性甲状腺炎 / 甲状腺刺激抑制抗体 / Western blotting |
Research Abstract |
本年度は人およびブタ甲状腺から可溶化したTSH受容体をwheat germ lectin SepharoseやCon A Sepharose, HPLCを用いて精製し, バセドウ病患者血中の^<125>I-TSH結合抑制抗体(甲状腺刺激抗体)および萎縮性甲状腺炎患者の甲状腺刺激抑制抗体とこの部分精製TSH受容体との反応を^<125>I-TSH結合に対する抑制活性で検討した. その結果, この部分精製TSH受容体を用いた場合には, バセドウ病患者血中の抗体はより少量で強い^<125>I-TSH結合抑制活性を示すこと, creedeな可溶化TSH受容体を用いた^<125>I-TSH結合抑制活性との間に高い相関が見られること, さらに, 萎縮性甲状腺炎患者の甲状腺刺激抑制抗体の場合にも, 部分純化TSH受容体に対して強い^<125>I-TSH結合抑制活性を示すことが分った. 以上の結果から, その作用のちがいにもかかわらず, 甲状腺刺激抗体も甲状腺刺激抑制抗体もともに部分純化したTSH受容体に強く結合しうることから, ともに糖蛋白として精製されるTSH受容体自体に対する抗体であることが判明した. 次に, 可溶化TSH受容体をSDS-PAGEで分離し, Western blottingでニトロセルロース膜に転写後, 甲状腺刺激抗体と甲状腺刺激抑制抗体を用いて, これらの抗体の抗原の同定をおこなった. その結果, ヒト甲状腺では60Kと33Kブタ甲状腺では65Kと24Kの蛋白が両方の抗体でともに標識された. この結果は, 我々が以前得た^<125>I-TSHとTSH受容体のcrosslinkによってブタ甲状腺TSH受容体は65Kと38Kから成るとの実験結果ともよく一致するものであり, これらの抗体がTSH受容体を検出する上で有用であることが判明した. 昭和62年度経費としてはファルマシアLKBのMultiphoreIIを購入し, SDS-PAGEに使用するとともに, 等電点電気泳動, 二次元電気泳動に使用した.
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Research Products
(2 results)