Research Abstract |
ラット卵巣摘出による骨粗鬆症モデルにおける26,27F_6-1,2S(OH)_2D_3の効果を検討することが重要な目的の一つであるが, このために, このモデルの確立を試みて来た. すなわち, 卵摘骨粗鬆症モデルはBarzell_5の如く作製不能とする報告もあり, 条件により骨軟化症あるいは骨塩率の著明な低下を来たす場合が多い. 通常ラット正Ca食として.0.47%Ca食が用いられるが0.02%, 0.1%の各濃度のD欠乏食に一定量ビタミンDを経口チューブにより補充する方法で卵摘後ラット及びシャム群を飼育した. 10ケ月令北山ラベスラットを12週, 20週にと殺し, 採血後, 大腿骨両側を採取, 骨比重, X線骨皮質幅, 総骨灰量, %骨量を測定, また3点支持方式にて破断力を測定した. 0.02%および0.1%の各Ca濃度食では急速に骨灰量, 骨比重が減少するが骨灰量の減少幅が大きいため%骨灰量の著明な低下を来たし血中Caにも影響を与える例があり, 二次性副甲状腺機能亢進症や骨軟化症が介在する可能性が大きく骨粗鬆症の生物検定系としては相当な注意を要すると考えられた. 26,27-F_6-1,2S(OH)_2D_3については, ビタミンD欠動物における生物検定系で1,2S(OH)_2D_3の10-50倍の活性を腸管Ca吸収能, 骨Ca動員作用等で確認していたが, 血中濃度について不明であり検討を行った. 26,27-F_6-1,2SD_3の標識品の動きと共に検定しそのリカバリーをもってHPLC精製, リセプターアンセイを行ったところ26,27-F_6-1,2S(OH)_2D_3の血中消失は1,2S(OH)_2D_3に比して少なくとも延長してはいないという結果を得た. 26,27-F_6-1,2SD_3はリセプター(ニワトリ胚)結合は1,2S(OH)_2D_3の1/3と低く血中濃度も半減期が長くないということが判明し, その高い作用と長時間作用性の機構は極めて興味深い. 骨粗鬆症モデルラットにおける効果は現在実験を継続しており, 長期効果としては安定した成績が得られるのではないかと期待し現在検討を続けている.
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