CRFおよびACTH関連ペプチドの基礎的臨床的研究

1987 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62570520
• Research Institution: Tokyo Women's Medical University
• Principal Investigator: 須田 俊宏 東京女子医科大学, 内科2, 講師 (30075452)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 住友 高 東京女子医科大学, 内科2, 助手 ; 中神 百合子 東京女子医科大学, 内科2, 助手 (70188887)
• Keywords: Corticotropin-releasing factor / ACTH / クッシング病 / POMCmRNA

Research Abstract

〔目的〕CRF-ACTH系の分泌及び合成の調節機構の解明, 更にクッシング病の病態生理, 特にCRFとの関わりについて検討した.
〔方法〕1.CRF分泌に及ぼすカテコールアミンの影響をみる為, ラットを用いin vitro及びin vivoで検討した. 2.ACTHによるCRF分泌へのショート・フィードバックの影響をみる為, 人及びラットにACTHを投与し, 血中CRF濃度の変動を調べた. 3.ストレスの影響をみる為, ラットを用いインスリン低血糖下でのCRF分泌を調べ, ACTH合成への効果を, ACTHの前駆物質であるPOMCのmRNAレベルで検討した. 4.フッシング病下垂体腺腫に於るACTH合成へのCRFの効果をみるため, 培養下垂体細胞でのP0MCmRNAレベルの変動を調べた.
〔結果〕1.視床下部ではノルアドレナリンがβ-レセプターを介しCRF分泌に抑制的に働いている可能性が示唆された. 2.糖質コルチコイドによるロング・フィードバックの影響がない時, ACTHは視床下部に作用し, CRF分泌を抑制する. 3.インスリン低血糖刺激により, CRF分泌が亢進し, その結果ACTHの分泌及び合成が促進された. 4.クッシング病下垂体腺腫細胞の, P0MCmRNAレベルのCRFに対する反応性は, 非腫瘍細胞の場合と比べ差はないが, 糖質コルチコイドに対しては抑制をうけにくいことが明らかとなり, 本疾患に於る下垂体レベルでの異常を更に裏づける結果が得られた.
〔今後の計画〕ストレスやフィードバックによるCRFmRNAレベルへの影響を調べ, 最近明らかとなったCRF結合タンパクのcharaterizationを行う. 又, クッシング病下垂体腺腫細胞のPOMCmRNAレベルに及ぼすCRFと他の刺激又は抑制物質との相互作用についても検討する.

Research Products

• [Publications] TOSHIHIRO SUDA: Brain Research. 405. 247-252 (1987)
• [Publications] TOSHIHIRO SUDA: Life Sciences. 40. 1645-1649 (1987)
• [Publications] TAKASHI SUMITOMO: Endocrinology. 120. 1391-1396 (1987)
• [Publications] TOSHIHIRO SUDA: Journal of Clinical Endocrinology and Metabolism. 64. 909-913 (1987)
• [Publications] TOSHIHIRO SUDA: Life Sciences. 42. 1147-1152 (1988)
• [Publications] TOSHIHIRO SUDA: Journal of Clinical Investigation. (1988)