1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570523
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
肥塚 直美 東京女子医科大学, 内科, 講師 (80147397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
助川 泉 東京女子医科大学, 内科, 助手 (00171736)
安本 久美子 東京女子医科大学, 内科, 助手 (80151017)
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Keywords | 末端肥大症 / 成長ホルモン |
Research Abstract |
ヒト成長ホルモン(hGH)には従来から知られている22Kの他に15個のアミノ酸の欠如した20KのhGHが存在し, この20Kは免疫活性は22Kの約1/3であるが生物活性は22Kと同一であると報告されている. 又, 遺伝子のレベルでも従来の22KのhGHと13回のアミノ酸の異なるvarianthGH(hGH-V)遺伝子が存在することが知られている. このhGH-V遺伝子のプロダクトは生物学的活性をより反映するレセプター活性が免疫活性に比べて10〜20倍強いと報告されている. 臨床的にhGHの免疫活性が高くなくても症状の強い末端肥大症があり, これらの症例では下垂体腺腫においてこのhGH-V遺伝子がexpressされている可能性や, 20Kが多く存在する可能性が考えられる. そこで本研究では末端肥大症の下垂体腺腫中に質的, 量的に異なったhGHが存在するか否か検討した. 7例の末端肥大症下垂体腺腫および剖検にて得られた10例の正常下垂体をSinghらの方法で抽出し抽出物中のhGHをradioimmunoassayおよびradioreceptor assayにて測定した. 末端肥大症下垂体腺腫中のhGHのレセプター活性と免疫活性の比(R/I)は正常下垂体抽出物中のhGHに比べて高値を示した(0.90±0.03VS0.75±0.03, P<0.01). 下垂体抽出物をSephadex G-100でゲルろ過しhGHの溶出パターンを検討した. hGHの溶出パターンには末端肥大症と正常下垂体では差を認めなかったが, ゲルろ過により分子量約22K分画中のhGHのR/I比は末端肥大症で高値を示した(1.14±0.09VS0.93±0.04, P<0.05). 血中hGHも同様に検討したが, 末端肥大症では健常人に比べてR/I比は高値を示した. これらの成績は末端肥大症下垂体腺腫では免疫活性に比べてレセプター活性の強いhGHが分泌されていることを示すものである. 現在SDS/PAGEや等電点電気泳動でhGHのheterogeneityについて検討中である.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hizuka N., et al.: J.Clin.Endocrinol.Metab.64. 1309-1312 (1987)
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[Publications] Hizuka N., et al.: Endocrinol.Japon.34SUPPL.1. 115-121 (1987)
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[Publications] Hizuka N., et al.: Endocrinol. Japon.34. 81-88 (1987)
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[Publications] Shibasaki T., et al.: J.Endocrinol.Invest.10SUPPL.4. 91 (1987)