1987 Fiscal Year Annual Research Report
GRFおよびソマトスタチンのGH分泌調節機構における基礎的および臨床的研究
Project/Area Number |
62570524
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
芝崎 保 東京女子医科大学, 内科2, 講師 (00147399)
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Keywords | 成長ホルモン放出因子 / ソマトスタチン / 成長ホルモン / 視床下部 |
Research Abstract |
成長ホルモン(GH)の分泌はGH放出因子(GRF)により刺激されるが, GRFに拮抗するソマトスタチン(SS)も関与して調節されていると考えられる. 本研究では視床下部よりのSSの放出状態を把握するために, TSH分泌がSSにより抑制されるという点に着目し, 血漿TSHを高感度IRMA法で測定し, GH分泌におけるSSの役割を検討した. 1.急性高血糖時のGH分泌抑制機序の検討, ブドウ糖経口負荷によりGH分泌が抑制されることは知られていたがその機序は不明であった. 健常人に75gブドウ糖を投与したところ血漿GHのみならずTSHも基礎値の68%にまで低下した. したがって急性高血糖時のGH分泌抑制には視床下部よりのSSの放出増加が関与していると考えられる. また健常人で認められているこの反応は大部分の末端肥大症患者で消失していることが知られている. そこで同試験を本症患者に行なったところ, 健常人に比してTSH値の低下度が有意に減少していることが判明した. したがって本症で観察される高血糖によるGHの分泌抑制の消失にはSSの放出反応の減弱が一部関与していると考えられた. 2.各種GH分泌刺激試験のGH分泌刺激機序に関する検討, 100μgのSMS201-995(SSの強力アナログ)の前投与は200μgGRFのGH分泌刺激作用を阻止したが, インスリン低血糖刺激によるGH分泌増加は完全には阻止し得なかった. したがって低血糖によるGH分泌増加は内因性GRFのみでは説明できず, 他の因子の関与が考えられた. 3.ラット視床下部切片の灌流系におけるGRF放出機序の検討, 本系において灌流液中のGRFを高感度RIAで測定し, 50mMK^+がその放出を増しCa^<2+>の除去によりK^+による刺激が消失することを確認した. GRFのこの放出様式は他の視床下部ペプタイドと同じであり, さらにGRFの放出に影響を与える種々の因子の検討を行なっている.
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[Publications] Tamotsu Shibasaki,et al.: Endocrinologia Japonica. 34. 799-807 (1987)
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[Publications] Tamotsu Shibasaki, et al.: Life Sciences. 42. 329-334 (1988)
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[Publications] Tamotsu Shibasaki,et al: Life Sciences. (1988)