培養心房細胞における心房性Na利尿ペプチドの合成および分泌機構

1987 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 62570530
• Research Institution: National Cardiovascular Center Research Institute
• Principal Investigator: 平田 結喜緒 国立循環器病センター研究所, 病因部, 室長 (50135787)
• Keywords: 心房性Na利尿ペプチド / 培養心筋細胞 / 分泌様式 / 糖質コルチコイド / 男性ホルモン / 甲状腺ホルモン

Research Abstract

新生児ラット(1-2日令)の心房, および心室よりコラゲナーゼを用いて遊離心筋細胞を作製し, 20%牛胎児血清(FCS)を含むダルベッコ変法培地で培養した. 24時間後, FCSを含まない培地に置換して, 種々のステロイド, 甲状腺ホルモンを添加し, 更に2日間培養して, 細胞内と培地中の心房性Na利尿ペプチド(ANP)をRIAで測定した. 心房細胞内ANP含量はデキサメタゾン, テストステロン, および甲状腺ホルモン(T3)によって用量依存性に増加し, 同時に培地中のANP分泌も同様に増加した. 心室細胞内ANP含量は心房よりも少かったが, デキサメタゾン, テストステロン, T_3によってANP合成は著明に促進されて, 培地中へ分泌された. 特に心室でのデキサメタゾンの反応性は心房よりも大であった. 以上のことから, 新生児ラットでは心房, 心室ともにANPは合成, 分泌されるが, 心室では合成されると直ちに分泌されるというconstitutiveな分泌様式である. また, 心房, 心室でのANP合成は多彩なホルモン支配下にあり, 特に心室では糖質コルチコイドに対する感受性が強いことから, 組織特異性の相違が示唆された.

Research Products

• [Publications] H.Maisubara,Y.Hirota,H.Yoshimi S.Takata,Y.Takagi,T.Iida,Y.Yamane Y.Umeda,M.Nishikawa,M.Inada: Biochemical and Biophysical Research Comnunications. 145(1). 336-343 (1987)
• [Publications] H.Matsubara,Y.Hirata,H.Toshimi,S.Takata,Y.Takagi,Y.Yamane,Y.Umeda,M.Nishikawa,M.Inada: Biochemical and Biophysical Research Communications. 148(3). 1030-1038 (1987)
• [Publications] 平田 結喜緒: 肺と心. 34(4). 276-284 (1987)
• [Publications] 平田 結喜緒: 最新医学. 43(1). 77-83 (1988)