1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570548
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
朝長 万左男 長崎大学, 医学部, 助教授 (40100854)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
栗山 一孝 長崎大学, 医学部, 助手 (90128174)
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Keywords | 原爆放射線 / 被爆者白血病 / FAB分類 / AML / ALL / CML / MDS / ATL / CLL |
Research Abstract |
昭和62年度および63年度の研究計画にもとづく被爆者白血病症例の標本収集作業を完了した。1983年までに放射線影響研究所にて登録された9Km以内被爆例から発生した白血病750例のうち487例(64.9%)について、診断可能な骨髄塗抹標本、又は病理組織標本が入手可能であった。昭和63年度は主として再診断/分類を実施し、これを完了した。また有意の線量(100ラド)を被爆した症例については、カラー顕微鏡写真により、アトラス作 の準備を行っているところである。 従って再診断/分類にもとづくデータを統計的に解析を平成元年度に実施し、研究を完成する目途がたった。 予備的解析による被爆者白血病の再評価の結果を以下に示す。 (1)旧診断の急性リンパ性白血病(ALL)55例中、38例が新診断でもALLとされたが、他の診断からALLとされたものが30例あり、合計68例(全体の13.9%)となった。 (2)旧診断で急性顆粒球性白血病(AGL)、急性骨髄球性単球性白血病(AMM.L)、急性単球性白血病(AMOL)、赤白血病とされた252例中、184例が急性骨髄性白血病(AML)とされたが、他の病型からさらに24例がAMLとされ、合計208例(42.7%)となった。 (3)慢性骨髄性白血病(CML)については、旧診断108例中、102例が新診断でもCMLと確認された。これに急性転化例と考えられる7例が加わり、計109例(22.2%)となった。 (4)新診断でMDS26例(5.3%)が旧診断のAGLとCMLから分離されたが、その大部分はRAEBであった。 (5)長崎例にのみ成人T細胞性白血病(ATL)が40例(8.2%)見出された。旧診断で慢性リンパ性白血病(CLL)とされた10例中7例がATLとされ、新診断でもCLLとされたのは4例(0.8%)であった。
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