1987 Fiscal Year Annual Research Report
純化ヒト尿コロニー刺激因子の物理化学的性質の解明とその受容体の単離
Project/Area Number |
62570550
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
元吉 和夫 自治医科大学, 医学部, 助教授 (80137702)
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Keywords | ヒト尿コロニー刺激因子 / ヒト単球コロニー刺激因子 / 遺伝子クローニング / サブユニット構造 / N-糖鎖構造 / ^<125>I-CSF-HU / 結合反応 |
Research Abstract |
本研究によって達成された実績は次の諸点である. (1)ヒト尿コロニー刺激因子(CSF-HU)が分子量85KDの糖タンパクであり, 分子量42KDの同一のサブユニットの2量体であることを明らかにした. (2)CSF-HUの遺伝子クローニングに成功し, CSF-HUのサブユニットが214コのアミノ酸よりなること, およびCSF-HUとCSF-1は一部共通のアミノ酸配列を持っているがC-末端側のアミノ酸配列はまったく異なる点を明らかにした. (3)CSF-HUは2コのN-糖鎖構造をもち, 9コのシステイン残基をもつこと, さらにサブユニットに解離するとコロニー刺激活性が消失することから, 2量体としての立体構造が活性発現に必須であることを明らかにした. (4)CSF-HUを125Iでヨード化し, ヒト末梢血単球への結合反応を解析し, CSF-HUが末梢血単球の約5%と結合することをオートラジオグラフ法を用いて明らかにした. (5)C-fms遺伝子をCOS細胞に導入して表面に発現させ, このC-fmsに本研究によってCSF-HUの物理化学的性質を世界にさきがけ明らかにすることができた. 今後(5)の実験を継続して, ヒト単球上のSCF-HUの受容体の解明を行う予定である.
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[Publications] G. G. Wong;K. Motoyoshi;F. Takaku: Science. 235. 1504-1508 (1987)
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[Publications] T. Hanamura: Leukemia. 1. 497-503 (1987)
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[Publications] K. Hatake: Exp Hematol. 15. 915-921 (1987)
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[Publications] K. Motoyoshi: Acta Haematol Jpn. 50. 1557-1564 (1987)
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[Publications] K. Motoyoshi: Monokines and other non-lymphocytic cytokines. (1988)