1989 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570567
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Research Institution | Osaka University Medical School |
Principal Investigator |
門田 守人 大阪大学, 医学部, 講師 (00127309)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 芳明 大阪大学, 医学部附属病院, 医員
金井 俊雄 大阪大学, 医学部, 助手 (50205051)
後藤 満一 大阪大学, 医学部, 助手 (50162160)
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Keywords | ラット / 同所性肝移植 / lmmunological tolerance / Blocking factor / antigen presentation / Oral tolerance / DTH反応 / 抗体産生 |
Research Abstract |
ACIからWistarへのラット移植肝は、免疫抑制剤なしに生着する。この系において、肝移植後2週目から4週目までの血清中には移植心の生着を延長させる因子があることを明らかにした。この血清因子をin vitroのassay系で検討したが、その効果は非常に多彩で、移植肝長期生着のメカニズムはmultifactorialと考えられた。一方、ACIからBUFへの組合せでは、ドナ-脾細胞を門脈内に投与し、10日後に肝移植を行うと移植肝は永久に生着することがわかった。以後、この系を用いて移植肝生着の機構解析を行った。前年度までにドナ-抗原門脈内投与により、抗体価は検出されないかまたは低値でありDTH反応は仰制されることがわかった。当該年度では以下の事がわかった。1)ドナ-抗原を静脈内投与すると7-10日後に1:64-1:256倍まで上昇するが、静脈内投与10日前に門脈内に投与すると、静脈内投与による抗体価の上昇は仰制された。2)Third partyとしてF344の脾細胞を門脈内投与し、その10日後にACIの肝臓を移植したところコントロ-ル群と同様に拒絶された。門脈内投与抗原と移植肝との間には種特異性があることがわかった。3)長期生存肝移植ラットの免疫状態を調べるためACIおよびF344(thirdparty)の皮膚を60日以上生存している肝移植ラットに移植した。F344の皮膚はコントロ-ル群と同様に拒絶されたが、ACIの皮膚は生着した。以上から、ACIからBUFへの系においては、ドナ-脾細胞を門脈内に投与することにより細胞性免疫(DTH反応)だけでなく液性免疫(抗体産生)もactiveに仰制され、移植肝は長期生着したと考えられた。さらに肝移植ラットにはdonor specific toleranceが誘導されていることが明かとなった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Hasuike Y.,Monden M.,Valdivia L.A.,et al.: "Immunolgical unresponsiveness to hepatic allografts in rats.Immunological reactivities of the recipient to donor antigens." Transplantaion. 47. 1043-1047 (1989)
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[Publications] Hasuike Y.,Monden M.,Valdivia L.A.,et al: "A simple method for orthotopic liver transplantation with arterial reconstruction in rats." Transplantation. 45. 830-832 (1988)
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[Publications] Kubota N.,Monden M.,Hasuike Y.,et al: "Lymphocyte infiltration and la expression in liver allograft in rats" Transplant.Proc.20. 214-216 (1988)
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[Publications] Hasuike Y.,Monden M.,Valdivia L.A.,et al.: "Three phases of immunologic unresponsiveness following liver grafting in rats." Transplant.Proc.19. 457-459 (1987)
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[Publications] 中野芳明、門田守人、Validivia L.A.、他: "ドナ-抗原門脈内投与による移植肝生着延長効果" 肝臓. 30. 1038-1039 (1989)
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[Publications] Monden M.,Valdivia L.A.,Gotoh M.et al.: "A crucial effect of splenectomy on prolonging cardiac xenograft suvival in combination with cyclosporine." Surgery. 105. 535-542 (1989)
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[Publications] 岡村純、門田守人、後藤満一、森武貞: "HLAハンドブック" サイエンスフォ-ラム, (1987)
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[Publications] 岡村純、門田守人、後藤満一、森武貞: "新外科学体系12「臓器移植」" 中山書店, (1989)