1988 Fiscal Year Annual Research Report
単クローン性抗リンフォカイン抗体を用いた同種移植免疫反応制御の試み
Project/Area Number |
62570569
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
阪上 賢一 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (40124789)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
淵本 定儀 岡山大学, 医学部附属病院, 講師 (60144771)
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Keywords | 心移植 / 抗リンフォカイン抗体 / 抗IL-1抗体 / 抗IL-2抗体 |
Research Abstract |
本研究の目的は、免疫応答において細胞間相互作用に関与するchemicalmediatorである種々のリンフォカインを抗リンフォカインを投与して遮断することによって、拒絶反応の制御を試みるものである。昭和62年度においては抗リンフォカイン抗体の1つである抗IL-2抗体を作制、ラット心移植後に静注投与したところ、著明な生着延長効果がみられた。昭和63年度では、IL-2の前段階で働くIL-1に対する抗体、すなわち、抗IL-1抗体を作制、ラット心移植モデルでその拒絶反応抑制効果を検討した。 方法:1)ラットは近交系でRTI不適合のACI(RTI^<avl>とF_<344>(RTI^<lv1>を用い、心移植はOno-Lidseyの方法に準じて行った。2)抗IL-1抗体の作制:マウスIL1あるいはヒトIL-1でウサギを免疫してpolyclonal抗IL-1抗体を、また細胞融合ほう用いてモノクローナル抗IL-1を作製した。 結果:1)未処理群の平均移植心生着日数は7.2±1.1日と有意な生着延長効果がみられた。しかし、monoclonal抗IL-1抗体投与群では、8.2±2.1日と拒絶反応抑制であったpolyclonalウサギIL-交代19.2±3.1日効果がみられなかった。この原因として、monoclonal抗体のIL-1の作製が必要であった。 結果:以上のごとく、中和活性の高い抗IL-1抗体を用いれば、抗IL-2抗体と同様に移植心の生着延長効果のみられることが明らかとなった。従って、今後は高力価の抗IL-1モノクローナル抗体の作製と、IL-2抗体との併用投与によるinterliukin Cascadeのsequential blockadeによる拒絶反応の制御が新らしい免疫抑制法のstrategyとなると考えられる。
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[Publications] K.Sakagami,;T.Osaki,;J.Matsuoka,;Y.Sone,;K.Higaki,;K.Tanaka,;S.Fuchimono,;K.Orita,: Transplantation Proceedings. 17. 1405-1408 (1985)
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[Publications] K.Sakagami,;T.Ohnishi,;J.Matsuoka,;T.Osaki,;K.Higaki,;Y.Hanzawa,;J.Hamuro,;K.Orita,: Transplantation Proceedings. 19. 586-590 (1987)
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[Publications] T.Ohnishi,;K.Sakagami,;K.Orita,: Transplantation Proceedings. 19. 4304-4307 (1987)
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[Publications] 阪上賢一、折田薫三: 臨床医. 13. 341-344 (1987)
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[Publications] T.Osaki,;K.Sakagami,;K.Orita,: Acta Med Okayama. 42. 77 (1988)