1988 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト乳癌組織におけるエストロゲン依存性プラスミノーゲンアクチベーターの分離、精製
Project/Area Number |
62570574
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Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
赤木 正信 熊本大学, 医学部, 教授 (00040155)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山下 純一 熊本大学, 医学部附属病院, 医員 (20279285)
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Keywords | プラスミノーゲンアクチベーター / ヒト乳癌 / DMBA乳癌 / エストロゲン依存性 / ホルモンレセプター |
Research Abstract |
昭和62年度までに、DMBA誘発ラット乳癌を用いたin vivo、in vitroの実験系で次のことが明らかになっていた。 1.DMBA乳癌におけるプラスミノーゲンアクチベーターのde novoの合成は、エストロゲンにより調節されている。 2.DMBA乳癌の培養細胞において、エストロゲンは、Dose依存性のPA産生を示す。 そこで、本年度は、DMBA乳癌細胞を初代培養することにより、in vitroにおけるプラスミノーゲンアフチベーターの動態をさらに追求した。その結果、in vitroでみられるエストロゲン依存性のプラスミノーゲンアクチベーター産生は、細胞の増殖を伴わないものであることが判明した。従来から、DMBA乳癌の発育においては、プロラクチンが必要不可欠であり、エストロゲンは下垂体からのプロラクチン分泌を促進することにより、2次的な作用を有するにすぎないとの考えが主流であるが、私たちの本年度の研究結果は、エストロゲンにも、プロラクチンを介する経路以外の、直接経路が存在している事実を、明らかにしたものと思われる。 さらに本年度は、ヒト乳癌の培養細胞MCF-7を用いて、SDSゲル電気泳動法により、ヒト乳癌に2種類のプラスミノーゲンアクチベターが存在することを明らかにした。加えて、この2種類のサブタイプのうち、ウロキナーゼ型ではなく、組織型のプラスミノーゲンアクチベーターが、エストロゲン依存性であることも明らかにすることができた。 以上が、昭和63年度の、研究実績の概要である。
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Research Products
(2 results)