1988 Fiscal Year Annual Research Report
慢性動脈閉塞症における循環動態の質的量的解析と適切治療に関する研究
Project/Area Number |
62570584
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
勝村 達喜 川崎医科大学, 胸部心臓血管外科, 教授 (70090222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
正木 久男 川崎医科大学, 胸部心臓血管外科, 講師 (50140520)
稲田 洋 川崎医科大学, 胸部心臓血管外科, 講師 (20148688)
土光 荘六 川崎医科大学, 胸部心臓血管外科, 助教授 (30140495)
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Keywords | 血行再建法 / レーザードプラー血流波形 / 血流プロファイル / グラフト開存性 / 代用血管選択 |
Research Abstract |
従来から慢性動脈閉塞症の血流改善前後の血行動態の変化をDoppler法やMercury strain gauge法を用いて解明し、さらに虚血肢の血流や重症阻血肢の四肢切断レベルを組織酸素分圧や乳酸代謝面さらにThermographyなどを用いて検討してきた。今回は末梢動脈の血行再建を行う場合にその血行再建が罹患肢の血流態にどのような影響をもたらすかを、20MHzドプラー血流計を用い、直接血流プロフィルを測定することで解明しようとした。即ち、下肢慢性動脈閉塞症の病態とその治療効果をより正確に把握するためには、罹患肢における閉塞脈の病態と治療に用いたバイパス血管の血流動態を知る必要がある。そのため閉塞部より中枢のnativeの動脈における血流プロフィルと閉塞部より末梢のまだ開存しているnative動脈の血流プロフィルを術前によく把握したうえでバイパス手術を行い、そのバイパス血管を通る血流プロフィルが如何様な状態である場合に罹患肢にとって最もよい結果が得られるのか、さらにバイパス血管として使用する人工血管、自家静脈、人臍帯静脈などにより、それぞれ血流プロフィルは異なることも明確にしようとした。現在のところ臨床(大伏在静脈を用いたバイパスに限る)においては、閉塞部より中枢native、グラフト中枢、中央、末梢と可能なかぎり閉塞部末梢nabiveでの血流プロフィルを測定したが、中枢nativeの整流がグラフト中枢で乱れ、再び中央から末梢にかけて整流になる傾向がある。また、動物実験での各種代用血管、(人工血管、自家静脈、人臍帯静脈)における血流プロフィルでは、自家静脈グラフトがより整流に近い傾向にあり、コンプライアンスとの関連が示唆された。今後、症例及び実験を重ねて、プロフィルのパターン化による血行再建の予後推測と、血流面からの代用血管選択の指標を確立していこうと思う。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 勝村達喜: 外科. 50. 342-347 (1988)
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[Publications] 勝村達喜: 日本外科学会雑誌. 89. 771-775 (1988)
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[Publications] 土光荘六: 呼吸と循環. 36. 411-416 (1988)
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[Publications] 土光荘六: 日本心臓血管外科学会雑誌. 18. 353-356 (1988)
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[Publications] 稲田洋: 手術. 42. 1547-1552 (1988)
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[Publications] 正木久男: 手術. 42. 1789-1794 (1988)
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[Publications] 勝村達喜: "循環器疾患最新の治療'88〜'89 末梢血管疾患における経皮的血管内腔形成術(PTA)" 南江堂, 270 (1988)
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[Publications] 勝村達喜: "外科Mook 動脈瘤 動脈瘤の治療ーー治療方針(手術適応)" 金原出版, 77 (1988)