1987 Fiscal Year Annual Research Report
消化管手術におけるintestinal adaptationに関する実験的研究-とくに大腸全摘, 小腸切除の消化管ホルモンおよび消化吸収に及ぼす影響とその対策について-
Project/Area Number |
62570588
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
佐々木 巌 東北大学, 医学部・付属病院, 講師 (60125557)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
舟山 裕士 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (50192315)
今村 幹雄 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (10142936)
内藤 広郎 東北大学, 医学部・付属病院, 助手 (90180223)
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Keywords | intestinal adaptatcin / ileojejunal transposition / antecozlucagon / ayptocell production ratis (C C P R) / 糖誘発〓位 |
Research Abstract |
1.雑種成犬にHeidenhain pouchを作成し, 術前(対照)として食事負荷を行い負荷後6時間まで末梢血を採血し, 同時にpouchよりの酸分泌量を測定した. 続いて, これらの犬にileo jojunal transposition(以下, IJT)を行い, 術後は4週および12週目で術前と同様の食事負荷を行い, 採血した血漿については消化管キルモンの測定をした. その結果, Heidenhain pouchよりの酸分泌量は, 術前, 術後で著名な差は認めないが, 術後において〓値を示す傾向が認められた. 消化管キルモンについては, totalGLI値の著名な上昇を認め, GI値の変化はなかったことから, IJT後に高enteso-glucagon血症を示すことが確められた. 血漿ガストリン値については術前, 後で差は認めなかったが, GIP値はIJT後に低下する傾向であった. また, 組織学的には回腸の間置腸管の粘膜肥厚が著名に認められ, また, 間置腸管以外でも粘膜肥厚が生じることが確められた. これらのことは, enteso-glucagonがbormoneとしてsystem Cに腸管全体内intestinal adaptationと関与するであろうと示唆される. 一方, 糖誘発電位からみたIJT後の吸収能の変化については現在若干の興味あるデーターが得られているが, n数が少ないためさらに検討している段階である. 2.ラットを用いてのIJT後のcrypt cell production ratio(CCPR)についての検討では, 術後早期からCCPRの高値が認められ, 術後長期間経過したのちもこの傾向が持続することが確められた. しかし, 腸管の繊毛の高さについての検討では, 術後早期には粘膜肥厚が間置腸管および他の腸管に認められるが, 長期経過後においてはIJT群とtransection群(対照群)との間に差が認められなくなりintestinal adaptationにはその発現機序と維持機序の間に何らかの違いが存在することを示唆する成績が得られている.
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Research Products
(1 results)