Research Abstract |
1.肝硬変症例でのin-vivoの検討 62年に当科で行なわれた肝硬変症手術症例の術前肝機能評価(従来のもの)と, Antipyrineクリアランス, 及び新たに確立した異なったミクロソーム代謝系であるAminopyrineクリアランスとの比較を行なった. これによると, 従来のChild分類と比較的良い相関を示すが, 一部, 解離を示す症例もあり, 評価の上で有用である. また, AntipyrineとAminopyrineのクリアランスは, 非常によい相関を示した. ミクロソーム代謝は, 平均して障害されていることがうかがえた. 2.肝重量の予測 肝CT画像からの肝重量の予測は, CT画面上認識される肝領域の面積をスライス幅で積分してゆく方法で現在, プログラミンク(コンピューター画像解析)中である. 〓肝表面の凹凸, 頭側, 尾側辺縁での肝領域認識, 識別に問題があり, 検討中である. 3.実験犬での検討 実際に測定した犬肝重量は28±8g/kgであった. これらの左, 右, 尾状葉の一部を生検, 保存し, ミクロソーム酵素であるアミノピリンテメチラーゼ, NADPHチトクロームCレダクターゼ, チトクロームP450の測定系を確立してゆく予定である. 犬のアミノピリンクリアランス, アンチピリンクリアランスは, 吸収, 麻酔による肝血流低下のためか, 人の6〜7割の値を示しており, 検討を要する. 4.肝予備能は, 従来の検査法では, 血流の影響をのぞけなかったが, 我々のガスクロマトグラフィーを用いたアミノピリン, アンチピリンクリアランスでは, 肝固有のクリアランスが非常に小さいため肝固有のそれぞれの代謝能力を表わしていると考えている.
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