Research Abstract |
実験動物としては体重200g〜250gの雄性wistar系ラットを使い, 側頚部よりシリコンチ〓〓がを上大静脈内に挿入固定し, そのルートよりIVHを施行した. IVH4日間管理後, A群, 水浸拘束負荷しなかった群, B群:IVHを継続しながら, 1時間, 3時間, 5時間および8時間の水浸拘束を負荷した群, C群:IVHを中止し1時間, 3時間, 5時間および8時間の水浸拘束を負荷した群, D群:IVHは施行せずに電解質液のみ継続しながら, 1時間, 3時間, 5時間および8時間の水浸拘束を負荷した群の4群にわけて, 各群間で(1)〜(5)項目について検討しその成績は以下の通りであった. (1)ストレス遺瘍発生率と組織学的検討:ストレス負荷8時間を経過すると, C, D群では深く広範囲にわたり胃底腺領域に100%びらんが形成され, さらに粘膜下層の循環障害を認めるが, IVHを施行したB群ではびらんを認めるものは28%と低値を示した. しかし粘膜下層の循環障害を示すものは70%であった. (2)遺瘍系数:負荷1時間では3群とも1以下で3群間に差は認めなかった. 負荷3時間ではB群0.8±1.0, C群2.8±0.4, D群1.8±1.0, 負荷5時間ではB群0.8±0.6, C群3.2±0.3, D群2.2±0.8, 負荷8時間ではB群0.8±0.3, C群2.5±0.8と各群とB群で有意に低値であった. (3)胃粘膜内PAS物質の計測し単位粘膜あたりの面積率, 負荷8時間でみると 胃底腺領域ではB群18.1±4.1%, C群5.4±8.4%, D群11.5±1.4%, 幽門腺領域ではB群25.9±6.1%, C群11.0±3.9%, D群14.2±4.2%とストレス負荷中IVHを施行したB群で胃底腺, 幽門領域とも有意に高値を示した. (4)胃粘膜内AB物質の計測, 負荷8時間では胃底腺領域ではB群14.0±3.1%, C群6.6±2.4%, D群2.4±3.6%, 幽門腺領域ではB群23.2±9.0%, C群22.3±5.7%, D群18.1±2.9%と胃底腺領域ではB群はC, D群に対して有意に高値を示した. (5)ストレスホルモンの測定:B群でストレスホルモンの分泌量は有意に多かった.
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