1987 Fiscal Year Annual Research Report
癌疾患尿中異常フィブロネクチンの精製とそのモノクロナール抗体による癌診断法の確立
Project/Area Number |
62570619
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
高塚 純 東邦大学, 医学部・第二外科, 助手 (30139026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
五十嵐 紀子 東邦大学, 医学部・生化学教室, 講師 (70057446)
竹内 節夫 東邦大学, 医学部・第二外科, 教授 (20057459)
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Keywords | 消化器癌 / 尿中Fibronectin(FN) / モノクロナール抗体 |
Research Abstract |
Fibronectin(FN)は細胞表面及び血漿中にある分子量約44万の大きな糖蛋白質で血中はもちろん体の組織の間質や細胞基底膜に存在し組織構造の保持と独自性を維持する役割を担っている. しかし細胞が癌化すると細胞表面のFNは消失あるいは著明に減少することが見出されてから注目され, 癌の増殖, 転移と密接な関係があると考えられている. 我々は担癌患者特に消化器癌尿中に健常者尿中では認めない異常FNが認められ癌の進行とともに有意な尿中FN値の増加が測定され腫瘍マーカーとしての意義が注目された. これまでに得られた知見では(62年度)尿中に排泄されるFNは疾患により分子量が異なり, 肝癌では主に6万数千の蛋白が, 結腸癌では9万数千の蛋白がFNと免疫交叉性を示し, 正常血漿FNの分子量46万とは大木さが異なり低分化が起っていることが判明した. 肝癌由来の尿中FNに対しては細胞融合法によるモノクロナール抗体の作製を行なっており, 3種のモノクロナール抗体が得られその性状について, 第46回日本癌学会総会にて報告した. その後の結果このモノクロナール抗体は, Westorn-blot法では反応するが, Radioimmuno法では反応しないことが認められ検討中である. 現在FNの各ドメイン構造に対応するモノクロナール抗体を入手し, 癌疾患由来FNに対してその各種ドメイン構造に対応するモノクロナール抗体を用いて検討中であるが癌疾患によりドメイン構造部分の共通認識部分と認識しない部分があることが見出されつつある. 今年度は(63年)疾患によるドメイン構造の相違ならびに肝癌及び大腸癌由来尿中FNに対するモノクロナール抗体の作成を行う予定である.
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Research Products
(1 results)