1989 Fiscal Year Annual Research Report
胃癌手術における脾合併切除後脾自家移植に関する研究
Project/Area Number |
62570622
|
Research Institution | Kansai Medical University |
Principal Investigator |
中根 恭司 関西医科大学, 医学部, 講師 (60155778)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山村 学 関西医科大学, 医学部, 講師 (60077732)
日置 紘士郎 関西医科大学, 医学部, 助教授 (60077641)
|
Keywords | 胃癌手術 / 摘脾 / 脾自家移植 / Lewis肺癌細胞(3LL) |
Research Abstract |
臨床的研究においてはStageII、IIIの治癒切除可能な胃上部癌で、全摘+脾合併切除を必要とする症例を対象とし、摘脾群と摘脾+脾自家移植(1/3〜1/2)群の2群にわけ術後核時期(2W、1、6、12、24M)における各種免疫パラメ-タ-、血小板数の推移および術後経過について比較検討した。なお術後化学療法として全例にMMC、5-FU(or UFT)を行ったが、免疫療法剤は使用しなかった。摘脾群10例、摘脾+脾自家移植群8例について比較検討した。各種免疫パラメ-タ-、血小板数の変動については両群間に優位な差は見られず、また術後経過は両群とも良好で重篤な合併症は認められなかった。 実験的研究ではC57BL/6マウス、10週齢を用いて1群:脾全摘+脾自家移植(40%移植)群・II群:脾部分切除(2/3切除)群、III群:脾全摘群およびIV群:コントロ-ル(sham operation)群の4群を作成。これらのマウスを用いて術後5カ月目にLewis肺癌細胞(3LL)、1×10^5個を後肢足蹠皮下に移植し、腫瘍形成を認めた2週後に同肢を切断して原発腫瘍巣を除去し、その後2週目に屠殺し肺転移巣の検索を行った。肺転移個数および肺重量に関しては1群が最も少なく、次いでII群であった。しかしIII群とIV群間には差はみられなかった。これらの結果より脾細胞の再生過程において、脾細胞に何らかの機能的変化が惹起されている可能性が考えられた。そこで本年度では前回と同様の実験群(4群)を作成し、更にOK-432IKEマウスを後肢切断前5日間投与した群と、切断後5日間投与した群に各々分け、OK432が再生された脾細胞に対してどのような働きをするかについて検討中である。
|