1987 Fiscal Year Annual Research Report
超低体温底流量体外環境における脳微小循環動態の研究:拍動流および定常流の比較検討
Project/Area Number |
62570629
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Research Institution | Yamagata University |
Principal Investigator |
鷲尾 正彦 山形大学, 医学部, 教授 (20018310)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河野 道夫 山形大学, 医学部, 助手 (80195677)
西村 和典 山形大学, 医学部, 助手 (60180634)
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Keywords | 超低体温低流量体外循環 / 脳微小循環 / 拍動流体外循環 / 直視下観察 |
Research Abstract |
1.今回試用中の実体顕微鏡及びカラーテレビ装置一式により, 脳微小循環動態が毛細血管レベルまで鮮明に観察しうることが判明した. 2.人工心肺により20°C以下の超低体温とし, 低流量体外循環を行うと, 定常流に於いては約1時間後より15-30μの静脈系にSludgingが発生し, 2時間後には, 毛細血管レベルを含む全動静脈に於いて10-20%の血管径の増大が観察された. 一方, 拍動流群の実験に於いてはSludgingや動静脈径の変化も見られず, 超低体温低流量体外循環における拍動流の優位性が微小循環の面からも証明された. 3.以上の知見の明確化のため, 60分循環停止の実験を加えた. 循環停止直後は血液のSludgingはむしろ見られず, 血管径の増大が著明であった. 特に, 細小動静脈(15-30μ)において, 約50%に及ぶ管径増大が見られた. 4,2,3で得られた知見は国内外で未発表の全く新たな知見である. これを"Brain Hyperper fusion af tergeneral lschemia"と命名し発表する予定である. 5.昭和60年度文部省特定研究で得られた脳組織ガス分圧上の知見は既に昭和61年日本胸部外科学会総会会長推薦演題として発表し, Journalof Thoracic Cardio-vascular Surgery誌上に於いて質疑応答を加えて掲載の予定である. 本研究はそのテーマを発展し直視下に明らかにするものであり, 超低体温低流量体外循環における拍動流の優位性が決定的に証明されることとなろう. また研究手法上も胸部外科一体外循環の分野で新たな方法論を拓くものである. 6.血管径の変化の数量的証明のため, 画像解析の手法を導入し, 統計的に明らかにする予定である. このために更に実験例数の追加を要し, また新たに三管式カラーカメラ及び画像解析装置一式を新たに導入する必要がある.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] 渡辺 隆夫: 日本胸部外科学会雑誌. VO1.36. (1988)
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[Publications] T.Watamabe,H.Hiroyuki,M.Kobayashi,M.Washio: Journal of Thoracic Cardiovascular Surgery.
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[Publications] T.Watanabe,M.Washio: Journal of Thoracic Cardiovascular Surgery.
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[Publications] T.watanabe,M.Washio: Joural of Thoracic Cardiovascular Surgery.