1987 Fiscal Year Annual Research Report
肺移植に関する基礎実験-左右肺動脈血流分布からみた急性拒絶反応診断の確立-
Project/Area Number |
62570637
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
山下 長治郎 神戸大学, 医学部, 助手 (00144569)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 昇 神戸大学, 医学部, 助手 (10168172)
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Keywords | 肝移植 / Reimplantatoion ResPonse / PGI_2 / 温阻血肺 |
Research Abstract |
予定していたトランスデューサ用送受信クリスタルが入手困難となったため実験計画を変更しReinplantation Responseの研究を行った. Reinplantation Responseとは肺移植後に出現する一種の肺水腫で術後胸部レ線上移植肺が真っ白になり術後管理を困難にするとともに急性拒絶反応との鑑別をも困難にしている今日PGI_2アナログを投与することによりReinplantation Responseを軽減できないかと考え実験を行った. 実験方法, 雑種成犬を用いて左肺内の除神経と肺動静脈, 気管支を1時間遮断し温阻血を行った. これを左自家肺移植モデルとして肺門操作中にPGI_2アナログを投与した群をPGI_2群(8頭), としコントロール群(9頭)と比較した. 温阻血前, 直後, 2時間後に肺動脈圧, 血液ガス等を測定した. 結果, PGI_2群はコントロール群と比較して肺動脈圧が低く血液ガスも良好でありPGI_2アナログは移植後の肺機能を温存させるのではないかと思われた. 次に実際に左自家肺移植を行いPGI_2アナログにReinplantation Responseを軽減させるのかどうかを検討した. 左自家肺移植中にPGI_2アナログを使用した群(11頭)と使用しなかったコントロール群(10頭)に分け, 術後1週間胸部レ線像血液ガスを測定し比較した. 胸部レ線像ではPGI_2群では術翌日より移植肺の含気は良好であったが, コントロール群では術翌日より白く不透明陰影が続き, 良好な含気を得るのに1週間を必要とした. 血液ガスでもPGI_2群はコントロール群と比較して有意に良好であった. 本年(63年1月)よりやっとドップラー血流測定用プローブが入手でき, 2月より実験を始めたところである.
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