1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570666
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Research Institution | University of the Ryukyus |
Principal Investigator |
中田 宗朝 琉球大学, 医学部, 講師 (40145529)
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Keywords | フーリエ解析 / 直接導出脳波 / 1 / fゆらぎ / ローレンツゆらぎ / パワースペクトル / ペンチレンテトラゾール |
Research Abstract |
催てんかん薬剤ペンチレンテトラゾールを用いて動物実験を行った. 脳の異常興奮状態にひき続きおこってくる機能低下状態, さらにその後の回復過程を, 脳波・脳血流・頭蓋内圧を中心に経時的に把握し, その変動を分析した. 1.広周波数帯域脳波の分析 プレアンプ(AA6MKII)とシグナルプロセッサー(7T18)によって構成されたシステムの周波数特性は20kHz以下において-3dB以内であり, 10〜10kHzの周波数帯域における脳波を分析した. 即ち, 周波数分解脳12.5Hz, 長さ1024点で32回の平均加算を行い, 得られたパワースペクトラムを両対数表示させた. 2.パワースペクトルパターン 大脳皮質運動領からの直接導出脳波の分析結果は1/f^2ゆらぎを呈した. 即ち両対数グラフ上, 傾きと切片の2つのパラメーターで代表させうる直線に近似しえた. 脳幹構造からの直接導出脳波の分析結果では皮質とは明らかに異なったパターンで, 1/f^αゆらぎ(α:0〜2)とローレンツゆらぎの合成であることが想像された. 文献拾集により実験式にあてはめることが可能であることが判明し, 中枢神経における電気活動はすべて4つ以下のパラメーター表現しうることがわかった. 3.催てんかん薬剤による脳波活動, 脳血流, 頭蓋内圧の変化 発作波の出現とともに頭蓋内圧, 脳血流は上昇し, 終焉とともに下降した. 私どもの脳波分析法によれば, 本来電位レベルが低い周波数の高い脳幹部の電気活動の変化をより正確に把握しうるものと考えられた. 即ち, 視察不可能な電気活動をとらえることができた. 重積状態4時間以内であれば, 脳機能は可逆的であった.
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