1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570670
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Research Institution | Toho University |
Principal Investigator |
吉井 信夫 東邦大学, 医学部, 教授 (60057453)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
溝上 徹 東邦大学, 医学部, 助手 (00157520)
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Keywords | Direct current therapy / chemothe rapy / Fibrosarcoma |
Research Abstract |
各種抗がん剤の帯電性を検査するためにFETセンサーを用いて、抗がん剤溶液中にセンサーを入れ陰極および陽極の周囲の帯電性を測定した結果、ACNUとEndoxanが他の抗がん剤に比して帯電性がより強いとの結果を得た。そこでこれら2種類の抗がん剤を用いて直流通電との併用療法を行った。初めにコントロール実験としてFSa繊維肉腫にACNUとEndoxanのみを与えた群それぞれ10匹と直流通電(0.6mA、0.8mA:1mA、各60分通電群24匹)について腫瘍の大きさが2倍になるdoubling timeを測定した。その結果、抗がん剤投与例ではdoubling timeがほぼ1。5倍と延長した。一方、0.6mA、0.8mA通電群では成績にあまり変わりがなく、これもほぼ1。5倍と延長した。しかしこの中で腫瘍が全く大きくならず縮小したままのものが14例中3例みられた。ついで1mA通電群をみると、腫瘍が縮小したままのものは10例中3例にみとめられ、doubling timeもほぼ2倍となっている。ただ陰極を腫瘍におき陽極を腫瘍周辺においた場合と、陽極を腫瘍内においた場合とでは、doubling timeはそれぞれ7.8±2.1日、5。6±2.5日と差があった。これに対してACNUを静脈内投与しつつ陰極を腫瘍内において通電を行った例では、腫瘍が縮小したまま大きくならなかったものが70%(1mA通電)、陽極を腫瘍内に刺入してACNUを静注したものが40%縮小をみ、その後腫瘍は増大しなかった。doubling timeは27±1.8であった。Endoxan投与群では約60%が通電と併用することで腫瘍の増大はなく縮小をみとめている。doubling timeは31.6±1.6日であった。(併用療法中の通電はすべて1mA、60分とした)。
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