1988 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570674
|
Research Institution | The University of Tsukuba |
Principal Investigator |
福林 徹 筑波大学, 臨床医学系, 助教授 (70114626)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉川 靖三 筑波大学, 臨床医学系, 教授 (00010067)
大野 敦也 筑波大学, 臨床医学系, 講師 (50107645)
|
Keywords | 半月板 / 縫合術 / 関節鏡 / ビーグル犬 / 同種移植術 |
Research Abstract |
1.半月板縫合の関節鏡視所見について 前年度の結果をもとに犬用関節鏡で問題内鏡視を行い、一個体における半月板治癒過程を経時的に観察した。全体の経過としては前年度報告した事とほぼ同様であった。術後1週ではまだ手術時の血腫が残存しており術後2週で血腫が消退し充血した消膜片が辺縁から半月板上にのびてきていた。術後3週で断裂部(縫合部)は完全に充血した消膜組織でおおわれた。術後4週で消膜の充血はやや消退しはじめ術後6週で消膜の充血は完全に消退した。術後8週〜12週で断裂部は線維様組織で治癒しており、縫合糸で断裂部を推定する他肉眼および関節鏡視では明らかな断裂部を特定できなかった。なお、一般的傾向として断裂部がやや内側に入った例では治癒機構の遅延が見られた。 2.半月板同種移植の研究 ビーグル犬の内側々副靱帯をその起始部で切離し内側半月板の切除を行った。その後-80°の冷凍庫に1ケ月間保存した同種犬の内側半月板を十分トリミングの上4-0ナイロン4針で縫合固定した。術後2、4、6、8週で、屠殺し肉眼的観察と組織学的検索を行った。同種移植例においても治癒過程は半月板縫合例と類似していた。すなわち2〜4週で辺縁随膜の充血がおこりその辺縁部が半月枚縫合部をおおった。術後4〜6週で充血が消退するとともに断裂部(縫合部)は線維性組織でおおわれていた。肉眼的にも組織学的にも同種移植のためと思われる拒絶反応はみられなかったが、術後8週までの時点では移植半月枚内の##細胞の再生所見はなかった。また半月枚組織そのものには変性所見は見られなかった。なお本研究はまだ例数も少ないため今後とも継続してゆく予定である。
|
-
[Publications] 福林徹: 日本整形外科学会誌. 62. 955-956 (1988)
-
[Publications] 河合従之: Clinical Orthop & Related Research. (1989)
-
[Publications] 下條仁士: 関節鏡. (1989)