1988 Fiscal Year Annual Research Report
人工関節置換術後に骨とセメントの間に形成される膜様物に関する免疫病理学的研究
Project/Area Number |
62570682
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Research Institution | KOBE UNIVERSITY : FACULTY OF MEDICINE |
Principal Investigator |
黒坂 昌弘 神戸大学, 医学部付属病院, 講師 (70170115)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜飼 和浩 神戸大学, 医学部, 講師 (50151840)
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Keywords | 人工関節 / ゆるみ / マクロファージ |
Research Abstract |
人工関節置換術後の合併症のうち、最も重要なもののひとつとされている骨セメントと骨の間の「ゆるみ(loosening)」の原因を解明すべく調査した。調査方法として、前年度より分析してきた再置換時に採取された、骨と人工関節の間に介在する肉芽組織について、偏光顕微鏡を用いての分析、さらに電子顕微鏡を用いて微細構造を検討した。 一般にこの「ゆるみ」の際に出現する肉芽組織は人工関節側から、滑膜表層に類示した表層部、組織球および線維組織に富む中間層しさらに深部の線維層の3層に分けられるとされている。我々の研究によると、この中間層と線維層とはほとんど区別が不可能で、中間層に見られるマクロファージ系の細胞が広範囲に分布している事が分かった。さらにこの細胞を偏光顕微鏡で観察すると、特に異物巨細胞と考えられる細胞中には多量のHigh Density Polyethyleneと考えられる砕片が貧食されていた。 またこれらの細胞は電子顕微鏡による観察でも、胞体内に多数のライソゾームやvacuoleが見られ、活発な貧食と消化が行われているものと推測された。またこの多数の細胞内小器管を持つ細胞は、電子顕微鏡による免疫染色にてもHLA-DR、陽性がありマクロファージ由来の細胞であり、骨吸収ひいては人工関節の「ゆるみ」進展させているものと考えられた。
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Research Products
(1 results)