1988 Fiscal Year Annual Research Report
血小板活性化因子(PAF)の生理活性とPAF拮抗薬の抗ショック作用
Project/Area Number |
62570699
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Research Institution | GUNMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
後藤 文夫 群馬大学, 医学部, 助教授 (00092015)
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Keywords | 血小板活性化因子 / エンドトキシンショック / ロイコトリエン / 血小板活性化因子拮抗薬 |
Research Abstract |
初年度の研究成績より、血小板活性化因子(PAF)とロイコトリエン(LT)はエンドトキシンシヨックにおいて密接な作用相関のあることが示唆された。今年度はPAFおよびLTの産生母体となる白血球がショック時の臓器障害に強く関わるとされることから、白血球の増減PAFおよびLT拮抗薬の抗ショック作用を検索した。 a)エンドトキシンショックモデルにおけるPAF並びにLT拮抗薬の効果 LD80に相当するエンドトキシン(LPS)投与後の死亡率はPAFまたはLT拮抗薬の単独投与では変化しないが、両薬剤を併用すると生存率は上昇とともに血液ガスデータの悪化が抑えられた。またHtも正常域に保たれ、トランスアミナーゼの上昇も軽度であった。 b)ビンブラスチン投与3〜4日後の白血球(特に多核白血球)の減少したラットではPAF拮抗薬を前処理しなくてLPS投与後の死亡率が減少し、AーaDo_2の増大が抑えられた。一方、ビンブラスチン投与7日目の白血球が増加してきたラットではLPSの毒性が増強され、最も成績が悪かった。 今回の成績から、シヨック時のPAFとLTは合成系のみならず、生理活性においても密接な関連を持つこと、またそれらの活性化と組織障害作用には白血球が強く関わることが示唆された。
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[Publications] 後藤文夫 他: 医学のあゆみ. 147. 133ー134 (1988)
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[Publications] 吉川大輔,後藤文夫: 麻酔. 37. 1460ー1465 (1988)
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[Publications] 後藤文夫 他: 麻酔. 37. S445 (1988)