1987 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
62570703
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
藤井 弘融 広島大学, 医学部, 講師 (60034021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
秋田 晋 広島大学, 医学部, 助手 (40175790)
菊地 博達 広島大学, 医学部, 助教授 (40034029)
盛生 倫夫 広島大学, 医学部, 教授 (80033950)
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Keywords | ハロセン / 肝障害 / 脂質過酸化 / ラジカル / 嫌気的脱ハロゲン化反応 |
Research Abstract |
肝障害モデル動物の作成および脂質過酸化と肝ミクロソーム電子伝達系酵素との関係を検討する目的で研究をおこない次の結果を得た. 1.モルモットにハロセンを吸入させることにより肝ミクロソームの脂質過酸化の亢進CTBA法で約数倍), 肝逸脱酵素の上昇, 肝組織像の脂肪滴の発生などから肝障害が発生することを確認し, ハロセン肝障害のモデル動物として使用した. 同条件のもとで, ラットの肝には影響が見られず, 対照の動物として使用した. 2.モルモットおよびラットにハロセンを吸入させ, ミクロリームのNADPH-モトクロムP-450還元酵素, NADPH-チトクロムb_5還元酵素の活性, チトクロムP-450, チトクロムb5の濃度を比較検討したところ, モルモットのチトクロムP-450, 還元酵素をのぞく電子伝達素酵素は減少した. 一方ラットのそれらは高化しなかった. 3.ピロガロールの自動酸化におよぼす影響から, ハロセンを吸入させたラットおよびモルモットのミクロソームの活性酵素発生の増加が試験管内で観察された. 4.ハロセンの嫌気的脱ハロゲン化活性はモルモットのほうがラットより約1.5倍多かった. これらの結果から, ハロセンを吸入させることにより発生するモルモットの肝障害はハロセンのラジカル代謝産物が原因となり, ミクロソームの脂質過酵素が超り細胞機能が破綻することが原因のひとつであることが明らかになった. ラットの場合脂質過酸化が起らないのは, 嫌気的脱ハロゲン化活性が低いので, 抗酸化系がモルモットと異なるためと考案した.
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[Publications] 秋田晋: 麻酔と蘇生23(別冊)37-40. 23. 37-40 (1987)
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[Publications] 藤井宏融: 麻酔と蘇生24. 24. (1988)
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[Publications] 秋田晋: 麻酔と蘇生. 24. (1988)
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[Publications] Susumu Akita: is vivo. (1988)